トヨタが作るWoven City、面積は東京ディズニーの約0.7倍

人口密度は将来、「首都圏」と同程度に



出典:トヨタプレスリリース

トヨタ自動車が静岡県裾野市で建設中の実証都市「Woven City(ウーブン・シティ)」。街全体がテストコースになるとしているが、その広さはいかに。多くの人が思っているよりも広いのか、それとも小さいのか。また、「人口密度」はどの程度になるのか。

■広さはディズニーリゾートの約0.7倍

Woven Cityの面積は70万8,000平方メートルとなることが予定されており、東京ドームに換算すると約15個分の広さだ。東京ドームと比較するとある程度の大きさに感じるが、もっと大きなものと比べるとどうか。


例えば、シティつながりで、「夢の街」とも呼べそうな東京ディズニーリゾートのパーク部分と比較したらどうか。東京ディズニーリゾートのディズニーランドとディズニーシーのパーク部分の合計は100万平方メートルなので、Woven Cityは東京ディズニーリゾートの約0.7倍の広さと言える。

「街」と聞くと巨大都市をイメージするかもしれないが、Woven Cityは思っていたよりも小さく、コンパクトだと感じる人もいるかもしれない。しかし、大規模に展開すればするほど、先進技術を街全体に導入するためのコストは大きくなる。広さをある程度に抑えてことこそ、「実証都市」としての機能性は高まると考えられる。

ちなみに日本の地方自治体と比べるとどうか。日本で一番小さな自治体は富山県舟橋村で、面積は3.47平方キロメートル(=347万平方メートル)だ。Woven Cityは舟橋村の5分の1程度の大きさとなる。

■人口密度は1平方キロあたり2,824人

続いて「人口密度」を比較してみよう。Woven Cityにはトヨタの従業員や研究者などを含め、将来的に約2,000人の住民が実際に暮らす予定だ。Woven Cityの面積と予定人口から人口密度を計算すると、1平方キロあたり2,824人(2,000人÷0.708平方キロ)となる。


首都圏の人口密度(※2020年国政調査データ)は、1平方キロあたりで東京都が6,410人、神奈川県が3,824人、埼玉県が1,934人、千葉県が1,219人となっているため、Woven Cityの人口密度は大体首都圏の平均的な人口密度と同程度と言えそうだ。

出典:総務省統計局(※クリックorタップすると拡大できます)

▼2020年国勢調査|人口速報集計結果|結果の概要
https://www.stat.go.jp/data/kokusei/2020/kekka/pdf/outline.pdf

■あなたなりの分析をしてみては

Woven Cityはこれまで基礎工事がすでに始まっているが、2022年11月からはいよいよ建物の建設工事が始まる。

この記事のように「数字」に着目して分析を進めると、Woven Cityがさまざまな見え方をしてくる。あなたなりの分析もしてみては?


【参考】関連記事としては「Woven City、第1期は2024年開業か 初期住民は360人」も参照。

記事監修:下山 哲平
(株式会社ストロボ代表取締役社長/自動運転ラボ発行人)

大手デジタルマーケティングエージェンシーのアイレップにて取締役CSO(Chief Solutions Officer)として、SEO・コンテンツマーケティング等の事業開発に従事。JV設立やM&Aによる新規事業開発をリードし、在任時、年商100億から700億規模への急拡大を果たす。2016年、大手企業におけるデジタルトランスフォーメーション支援すべく、株式会社ストロボを設立し、設立5年でグループ6社へと拡大。2018年5月、自動車産業×デジタルトランスフォーメーションの一手として、自動運転領域メディア「自動運転ラボ」を立ち上げ、業界最大級のメディアに成長させる。講演実績も多く、早くもあらゆる自動運転系の技術や企業の最新情報が最も集まる存在に。(登壇情報
【著書】
自動運転&MaaSビジネス参入ガイド
“未来予測”による研究開発テーマ創出の仕方(共著)




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