残念!Apple Car発売はまだ先 2024〜2025年濃厚か

公道実証を継続中、情報開示はいつ?



先日、米Appleの「iPad(第10世代)」が発表された。自動運転ラボとしては「Apple」「発表」というキーワードを聞くと、「ついにApple Carが発売されたのか!?」「開発の全貌が明かされたのか!?」と構えてしまうが、どうやら今回は違ったようだ。


Appleの自動運転開発は2014年ごろから始まったと言われている。「Titan(タイタン)」というプロジェクト名で当初は秘密裏に開発は進めていたが、米カリフォルニア州で自動運転車の公道実証ライセンスを取得したことが明るみになるなどし、現在は周知の事実だ。

2019年には自動運転開発を手掛けるスタートアップの米Drive.aiを買収し、本気度の高さをうかがわせた。しかし、自動運転開発についてのプレスリリースは今までで一度も出ていない。だからこそ、Apple製自動車がいつ発表されるのかは、業界での大きな関心事だ。

【参考】関連記事としては「Apple Car暫定情報(2022年最新版) 自動運転化される?」も参照。

■自動車関連の特許はすでに200件超え

「Apple Car」の発売時期については、多くのメディアが記事で予想を出しているが、現時点では定かな情報は出てきていない。多くのアナリストが予測しているのは「2024年以降」だ。このことから、2024〜2025年ごろ、と考えている業界関係者も少なくない。


ちなみに、Appleが申請した自動車関連の特許は、すでに200件を超えているという。エアバッグやバンパー、シートベルト、ウィンドウ関連の特許も取得済みとされている。自動運転技術を開発するだけではなく、本当に自動車を作ろうとしているわけだ。

ただし、現時点では自動車の製造能力を持たないAppleは、すぐにApple Carを量産できるわけではない。そのため、製造メーカーとの協業の必要性はかなり高いと考えられる。最近では、Appleがどのメーカーに車両製造を委託するのかも業界で注目されている。

これまでの報道では、韓国の現代自動車(ヒュンダイ)とパートナーシップを結び、2024年ごろにアメリカで生産を始める、という報道や、韓国の起亜自動車(KIA)と提携する、といった記事もあった。その後も、カナダや日本の自動車メーカーと交渉しているという報道もあった。

■Appleの自動車開発に対する高い関心度

カリフォルニア州道路管理局によれば、Appleは同州で2017年12月から2018年11月に12万キロ以上を実証走行している。その後も2021年11月にかけ、走行距離は当初時期には及ばないものの、公道実証は続いている。


さて、Apple Carの情報開示が一体いつになるのだろうか。2022年に入ってアメリカで行われた「新車購入で将来的にどのブランドを検討したいか」という調査では、まだ自動車を発売していないAppleが3位にランクインした。Appleの自動車開発に対する関心度は非常に高い。

【参考】関連記事としては「未発売でもAppleが3位!米国での自動車購入意向調査」も参照。

記事監修:下山 哲平
(株式会社ストロボ代表取締役社長/自動運転ラボ発行人)

大手デジタルマーケティングエージェンシーのアイレップにて取締役CSO(Chief Solutions Officer)として、SEO・コンテンツマーケティング等の事業開発に従事。JV設立やM&Aによる新規事業開発をリードし、在任時、年商100億から700億規模への急拡大を果たす。2016年、大手企業におけるデジタルトランスフォーメーション支援すべく、株式会社ストロボを設立し、設立5年でグループ6社へと拡大。2018年5月、自動車産業×デジタルトランスフォーメーションの一手として、自動運転領域メディア「自動運転ラボ」を立ち上げ、業界最大級のメディアに成長させる。講演実績も多く、早くもあらゆる自動運転系の技術や企業の最新情報が最も集まる存在に。(登壇情報
【著書】
自動運転&MaaSビジネス参入ガイド
“未来予測”による研究開発テーマ創出の仕方(共著)




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