三菱重工業、三菱重工機械システム(MHI-MS)、三菱重工エンジニアリング(MHIENG)の3社はこのほど、2023年度実施予定の路車間通信(V2I)の実証実験に参加することを発表した。
■路面の凍結も検知する前方先読み情報
この実証実験は、NEXCO中日本(中日本高速道路)が建設中の「E1A新東名高速道路」の、未供用区間である神奈川県の新秦野ICから静岡県の新御殿場IC間のうち、静岡県内約4キロの一部区間で実施される予定だ。
NEXCO中日本が主催する事業「高速道路の自動運転時代に向けた路車協調実証実験」の公募において、MHI-MSと、AI(人工知能)解析でリスクの可視化を手がけるSpectee(スペクティ)が共同で応募し採用された。
実証では、自動運転車両の車載センサーで検知できない前方の「先読み情報」を、後続の自動運転車両に配信する実験などが行われる。カメラ映像から、道路の落下物や事故、路面の凍結などを検知し、短いリードタイムでの映像解析と情報伝達が必要になる。
■さまざまな要素技術のマッシュアップに期待
三菱重工グループは「高速道路の料金徴収や都市部の混雑課金(ロードプライシング)などで培ってきたMHI-MSの道路交通におけるセンサー/通信技術や、地上・車上システム間の協調によって安全性を担保する鉄道システムの構築実績があるMHIENGの知見」などを今回の実証に活用するという。
Specteeは路上・車載カメラの情報から、同社の強みである画像認識AI技術を活用して、路面状況を検知する映像解析領域で技術を提供するようだ。
自動運転車の安全性を高め、さらには社会実装を進めていくなかで、こうした通信・解析技術は、欠かせない技術だ。さまざまな要素技術が組み合わさり、安全で高効率な自動運転社会が形成されていく。
【参考】関連記事としては「雪でも霧でも自在に作成!三菱重工が「自動運転試験装置」開発へ」も参照。