空飛ぶタクシー、運賃は「1キロ270円」!?米企業が目標値発表

Wisk Aero、料金は「1人ごと」に加算



出典:Wisk Aeroプレスリリース

空飛ぶタクシーの運賃がいくらぐらいになるか、予想したことはあるだろうか。ある米企業がこのほど、同社の新開発の空飛ぶクルマを使ったタクシーサービスの運賃の「価格目標」を掲げたので、その数字を紹介していきたい。

■「1人1マイル当たり3ドル」=「1人1キロ当たり270円」

ある米企業とはWisk Aeroだ。同社はこのほど第6世代の空飛ぶクルマを発表し、空飛ぶタクシーで同機を使用する際の運賃の価格目標を「1人1マイル当たり3ドル」と設定していることを明らかにした。


単位がマイルとドルだと日本人にはイメージが湧きにくいので、キロと円に換算し、1キロ当たり何円と設定しているのか計算していよう。

1キロは約0.62マイルなので、1キロ当たりの運賃は「0.62マイル×3ドル」で約1.86ドルとなる。1.86ドルは2022年10月10日のレートで約270円だ。つまり、「1人1マイル当たり3ドル」をキロと日本円で言い換えると「1人1キロ当たり270円」ということになる。

■日本のタクシー料金と比べると?

これを日本のタクシー料金と比較するとどうだろうか。タクシー料金は地方によって異なるが、例えば初乗りが1.2キロまで600円の場合は「1キロ当たり500円」ということになる。


タクシーの場合は乗車人数によって料金は変わらないが、Wisk Aeroが「1人当たり」の料金を定めていることを考慮すると、Wisk Aeroによる空飛ぶタクシーサービスを1人で利用する(=1キロ当たり270円)と日本のタクシー料金よりは安いことになるが、2人で利用する(=1キロあたり540円)と日本のタクシーの方が安くなる・・・。こういった相場感だ。

いずれにしても、両者に驚くべき料金差はないと言え、最先端の空飛ぶクルマを使ったエアサービスも、案外、地上を走るタクシーと同程度の料金で利用することができるようになるのかもしれない。だとすれば、ヘリコプターをチャーターするよりはかなり安い料金だ。

■気になる次世代モビリティの利用用金

新たなモビリティの利用料金について興味を持っている人は少なくないはずだ。自動運転ラボでは過去に、自動運転タクシーの料金についての記事も出している。関心がある人は以下の【参考】からぜひ記事を読んでみてほしい。

【参考】関連記事としては「タクシー運賃、自動運転化で10分の1 2030年に1000兆円市場に 米アーク・インベストメントが予想」も参照。


記事監修:下山 哲平
(株式会社ストロボ代表取締役社長/自動運転ラボ発行人)

大手デジタルマーケティングエージェンシーのアイレップにて取締役CSO(Chief Solutions Officer)として、SEO・コンテンツマーケティング等の事業開発に従事。JV設立やM&Aによる新規事業開発をリードし、在任時、年商100億から700億規模への急拡大を果たす。2016年、大手企業におけるデジタルトランスフォーメーション支援すべく、株式会社ストロボを設立し、設立5年でグループ6社へと拡大。2018年5月、自動車産業×デジタルトランスフォーメーションの一手として、自動運転領域メディア「自動運転ラボ」を立ち上げ、業界最大級のメディアに成長させる。講演実績も多く、早くもあらゆる自動運転系の技術や企業の最新情報が最も集まる存在に。(登壇情報
【著書】
自動運転&MaaSビジネス参入ガイド
“未来予測”による研究開発テーマ創出の仕方(共著)




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