自動運転のためのコアセンサーとして位置付けられるLiDAR。このLiDARを開発する独Ibeo Automotive Systems GmbHは2022年10月10日までに、ハンブルグの破産裁判所に破産を申請し、破産手続きの開始が認められた。
■これまで自動運転用LiDARなどを開発
報道によれば、債務超過に陥ったことが理由。同社は事業の継続と従業員の雇用の継続に向けて、企業や投資家からの資金調達を模索しており、すでに一部の投資家と協議に入っているという。
同社のLiDAR製品は、自動運転用や運転支援用のセンサーとして活用されてきた。同社は2018年に創立20周年を迎え、ドイツの自動車部品サプライヤーのZFフリードリヒスハーフェンが同社の株式の一部を保有していることでも知られている。
同社の最高経営責任者(CEO)であるUlrich S. Lages氏は「我々は、市場をリードする技術、優秀な従業員、そして我々のビジネスモデルを信じ続けており、世界初の量産用4D-LiDARを含む我が社のセンサー製品は、将来大きな市場を獲得できると感じている」と述べている。
■LiDAR業界で「開発」「販売」の競争激化
報道によれば、同社の従業員は2022年9月末現在で400人以上。賃金と給料は11月末まで支払われるが、その後については不透明な状況だ。なぜ債務超過に陥ったのかなどの具体的な要因については報道されていない。
LiDARは「自動運転の目」としての役割を担い、世界で多くの企業がLiDARの開発・製造をスタートさせている。しかし、5〜6年前であれば「LiDAR開発企業」は珍しい存在であったが、現在はかなりの数の新興企業が誕生し、開発競争が激化している。
すでにLiDAR製品の「開発」だけではなく「販売」でも顧客獲得競争が繰り広げられており、Ibeo Automotive Systems GmbHがこうした競争を優位に進められなかった可能性もある。
■今後数カ月で資金調達の目途が立つか・・・
ハンブルグの破産裁判所に破産手続きの開始が認められたものの、Ibeo Automotive Systems GmbHは今後数カ月は事業を継続する見込みで、その間に資金調達の目途を立てたい考えのようだ。今後の動きをウオッチしていきたい。
【参考】関連記事としては「LiDARとは?読み方は?(2022年最新版)」も参照。