高専(高等専門学校)の学生が「自動運転耕運機」の社会実装を目指しているようだ。若い世代による自動運転技術を活用したロボット開発。期待の取り組みと言えそうだ。
■小型自動運転耕運機の試作に挑む
石川県金沢市の国際高等専門学校のプレスリリースを読んでいこう。同校の国際理工学科4年の畠中義基さんが「第4回リバネス高専研究費 Garage Ota賞」に採択され、30万円の研究費助成を得て、小規模農家向けの小型自動運転耕運機の試作と検討に取り組むという。
最終目標として、田んぼ上で稼働する小型自動トラクターを実現することを掲げており、その実現に向け、コア技術となる新たな「ロータリー」と自動耕運制御技術の研究開発を2年間で行うという(※耕運機における「ロータリー」とは、土を耕すための部分を指す)。
まず1年目は、従来よりも低負荷で土を耕すことができる新たなロータリーの設計や試作に取り組み、実証実験を通じて有効性を検証する。そして2年目は自動耕運制御技術の設計・試作に挑む。
■背景には小規模農家の悩みが・・・
ちなみにリバネス高専研究費は、独創的な研究を遂行する若手研究者を支援する研究費助成事業だ。リバネス高専研究費は毎回テーマが異なっており、畠中さんが採択された今回の第4回のテーマは「本気で社会実装したいハードウェアの研究開発」だった。
畠中さんの研究の背景には、小規模農家では大規模農家に比べ、自動化がなかなか進んでいない現状がある。大型トラクターの自動化の取り組みは顕著だが、小規模農家にはそうしたトラクターが大きすぎるケースが多いからだ。
そこで畠中さんは、小型自動トラクターの開発を進めていくことを決めたわけだ。自動運転分野に挑む若き研究者の取り組みに期待したい。
【参考】関連記事としては「自動運転と大学」も参照。