空飛ぶクルマの離発着場、「日本版」標準化の動き

SkyDrive、長大、大林組が取り組み



空飛ぶクルマの普及のためには、「離発着場」が必要不可欠だ。空飛ぶクルマを開発する株式会社SkyDrive(本社:愛知県豊田市/代表取締役CEO:福澤知浩)は2022年6月20日までに、建設コンサルタント大手の長大、ゼネコン大手の大林組と協働で、空飛ぶクルマ離発着場モデル作成を推進することを発表した。


世界レベルの橋梁設計技術を有している長大は、ヘリポート付きの病院の設計や環境アセスメントなど、空飛ぶクルマの離発着場のモデル作成に生かせる知見を豊富に有している。そして設備・インフラの施行は、ゼネコン大手の大林組が得意とするところだ。

空飛ぶクルマの離発着場モデルの作成を3社で進めていき、この分野での「日本版」の標準化を目指す。

■官民協議会のWGでの提言を計画

SkyDriveは2019年に日本で初めて空飛ぶクルマの有人飛行に成功し、現在は2人乗りの機体を開発中だ。そして2025年の大阪・関西万博に向けて、空飛ぶクルマの運航開始を目標としている。

離発着場の標準化のため、SkyDriveとしては同社が保有する機体情報や機体に関わる必要設備に関しての情報や知見を提供するようだ。


また、今回の3社の取り組みで得られた経験などをもとに、2022年度から開催される「空の移動革命に向けた官民協議会」の「離着陸場ワーキンググループ」で提言することも計画しているという。

【参考】SkyDrive×大阪万博に関しては「大阪万博のエアタクシーサービス、主役は「SkyDrive」に!?」も参照。

■インフラ事業も手掛けていくSkyDrive

2022年6月には、航空機用内装部品メーカーであるジャムコとサポーター契約を締結したことも発表しているSkyDrive。着々と事業を前進させている印象だ。

ジャムコグループは、FAA(米国連邦航空局)の委任を受けて型式証明などの認証業務を代行する米国拠点を保有しており、機体改造設計などの業務に関する知見や経験を有している。ジャムコはSkyDriveに対し、機体の構造・設計、認証取得業務に資する技術などを提供していくという。


空飛ぶクルマの機体そのもの、そしてインフラ事業も手掛けていくSkyDriveに、引き続き注目していきたい。

【参考】関連記事としては「空飛ぶクルマとは?」も参照。

記事監修:下山 哲平
(株式会社ストロボ代表取締役社長/自動運転ラボ発行人)

大手デジタルマーケティングエージェンシーのアイレップにて取締役CSO(Chief Solutions Officer)として、SEO・コンテンツマーケティング等の事業開発に従事。JV設立やM&Aによる新規事業開発をリードし、在任時、年商100億から700億規模への急拡大を果たす。2016年、大手企業におけるデジタルトランスフォーメーション支援すべく、株式会社ストロボを設立し、設立5年でグループ6社へと拡大。2018年5月、自動車産業×デジタルトランスフォーメーションの一手として、自動運転領域メディア「自動運転ラボ」を立ち上げ、業界最大級のメディアに成長させる。講演実績も多く、早くもあらゆる自動運転系の技術や企業の最新情報が最も集まる存在に。(登壇情報
【著書】
自動運転&MaaSビジネス参入ガイド
“未来予測”による研究開発テーマ創出の仕方(共著)




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