自動運転、ソフトやセンサーの「省エネ化」に挑む企業を募集

経済産業省とNEDO、プロジェクトの実施者を募集



経済産業省は2022年3月20日までに、「自動車関連プロジェクトに関する研究開発・社会実装計画」を策定したことを発表した。この計画は2つのプロジェクトで構成され、そのうち1つが自動運転が関わってくるプロジェクトだ。


■自動運転ソフトの省エネ化などを研究

自動運転が関わってくるのが、「電動車等省エネ化のための車載コンピューティング・シミュレーション技術の開発」プロジェクトだ。研究開発項目としては、次の3つが挙げられている。

  • ①自動運転ソフトウェアの省エネ化
  • ②自動運転センサーシステムの省エネ化
  • ③自動運転に対応する電動車両シミュレーションモデルの開発

①の「自動運転ソフトウェアの省エネ化」では、自動運転ソフトの膨大な計算量は多大な電力を消費するため、ディープラーニング(深層学習)などを活用して計算の手法を改善し、消費電力を70%削減することを目指す。

②の「自動運転センサーシステムの省エネ化」では、センサー機器やセンサーシステムの改善を行い、①と同様に70%の消費電力の削減を目標としている。

③の「自動運転に対応する電動車両シミュレーションモデルの開発」は、自動運転EVの試験・評価に使うシミュレーション・モデルの精度を高め、車両の開発期間の短縮につなげるねらいがある。


出典:経済産業省プレスリリース(※クリックorタップすると拡大できます)
■NEDOがプロジェクト実施の民間企業を募集中

新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)は、このプロジェクトを実施する民間企業の募集をすでに開始している。NEDOによる審査を経て、6月以降のプロジェクト開始を予定している。今回のこのプロジェクトにおける国庫負担額は上限420億円となっている。

自動運転の技術レベル自体はすでに近年大きく進化しているものの、本格的な社会実装と普及に向けては、まだまだハードルが少なくないのが実情だ。省エネ化が進めばそのハードルを1つ越えることになる。プロジェクトの成果に期待だ。

▼自動車関連プロジェクトの公募を開始します|経済産業省
https://www.meti.go.jp/press/2021/03/20220314004/20220314004.html

【参考】関連記事としては「自動運転レベル4のサービス、2025年度に40カ所以上で 国がロードマップ最新版発表」も参照。


記事監修:下山 哲平
(株式会社ストロボ代表取締役社長/自動運転ラボ発行人)

大手デジタルマーケティングエージェンシーのアイレップにて取締役CSO(Chief Solutions Officer)として、SEO・コンテンツマーケティング等の事業開発に従事。JV設立やM&Aによる新規事業開発をリードし、在任時、年商100億から700億規模への急拡大を果たす。2016年、大手企業におけるデジタルトランスフォーメーション支援すべく、株式会社ストロボを設立し、設立5年でグループ6社へと拡大。2018年5月、自動車産業×デジタルトランスフォーメーションの一手として、自動運転領域メディア「自動運転ラボ」を立ち上げ、業界最大級のメディアに成長させる。講演実績も多く、早くもあらゆる自動運転系の技術や企業の最新情報が最も集まる存在に。(登壇情報
【著書】
自動運転&MaaSビジネス参入ガイド
“未来予測”による研究開発テーマ創出の仕方(共著)




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