トヨタのMaaSアプリ「my route」が引く手あまただ。2018年11月に初めて福岡県福岡市で実証実験をスタートさせた後、さまざまな地域のMaaS事業で採用されており、沖縄でもmy routeを使ったプロジェクトが2022年2月から始まっている。長崎県にも新たに対応したようだ。
my routeとは、多様な交通手段を組み合わせたルートの検索に加え、交通手段の予約・決済がワンストップでできるスマホアプリのことだ。展開されている地域では、地域のイベントや店舗の情報を検索することもできる。
もちろん展開エリア数だけではなく、従来よりも移動の利便性が高まっているかという、MaaSの本質の追究も重要である点に変わりはないが、my routeの公式サイトによると、2022年10月時点の展開エリアは一部都市での展開も含めると10県(神奈川、富山、愛知、福岡、佐賀、長崎、熊本、大分、宮崎、沖縄)となっており、拡大傾向にあることは確かだ。
【参考】関連記事としては「トヨタのMaaS事業(2022年最新版)」も参照。
■沖縄ではどんな枠組みで展開?
沖縄においては、第一交通産業グループ、沖縄トヨタグループ、損害保険ジャパン、NTTドコモ九州、本部町の5者が、2022年2月17日からmy routeの社会実装サービスを開始している。
この取り組みは、国土交通省所管の2021年度「日本版MaaS推進・ 支援事業」に採択されたプロジェクトとして実施されている。事業の目的は「目的地までのシームレスな移動を実現するだけでなく、行動変容を促し、地域経済の活性化に繋げる」ことなどだ。
サービスエリアは徐々に広がり、本部町に加え、那覇市や浦添市、豊見城市と順次追加されていくという。上記の5者は「沖縄スマートシフトコンソーシアム」を設立し、地域事業者などと連携して事業を進めていく。
■タクシーアプリとの連携やデジタルチケットの販売
実証実験では、my routeと第一交通のタクシー自動配車アプリ「モタク」が連携し、my routeからモタクでタクシーを呼べる仕組みが取り入れられている。この仕組みは、my routeをすでにサービス展開している福岡市や北九州市などでも導入されている。
また、バスが乗り放題になる「沖縄路線バス周遊パス」と「那覇市内乗り放題パスポート」といったデジタルチケットも、my routeにおいてリリースされている。沖縄路線バス周遊パスは大人2,500円で、あらかじめ指定されたバスが1日乗り放題となる
日本の一大観光地である沖縄。沖縄を訪れる観光客がmy routeを使うことで、移動がこれまでより便利かつスムーズに行えるようになり、県にも大いに歓迎される取り組みと言えそうだ。
(初稿公開日:2022年3月8日/最終更新日:2022年10月7日)
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