「ピッキングロボット」と「AMR」(自律走行搬送ロボット)を連携させる取り組みが始まった。取り組むのは、物流大手の鴻池運輸とAI開発企業のOSAROだ。「自動×自動」のマッシュアップで、倉庫内オペレーションの省人化が一気に加速しそうだ。
両社は実証実験として、ピッキングロボットとAMRを連携させる。実証実験はすでにスタートしており、約6カ月間、東京都品川区にある鴻池技術研究所イノベーションセンターで実施される。
OSAROは産業オートメーションのためのAI(人工知能)を開発する企業で、米サンフランシスコに本社を構えている。OSAROのAIソリューションは、日本国内ではデンソーやIHIなどでの採用実績がある。
■商品の「把持点」もスムーズに割り出し
実証実験では、米inVia製のAMRと、OSAROの画像認識AIシステムが搭載されたピッキングロボットを使用する。
まずAMRがピッキング対象の商品のある棚まで移動し、商品が入ったかごを棚から取り出す。そしてそのかごをピッキングロボットが待つエリアまで運び、ピッキングロボットがそのかごから商品をピッキングする。
なおピッキングの際は、グリッパーで物体を挟んだり、バキュームによる吸引で物体を持ち上げたりする動作を伴うが、物体の把持点(はじてん ※しっかり持つことができるポイント)をスムーズに割り出すことで、高速ピッキングを可能にしているという。
■倉庫内の省人化に大きく貢献
鴻池運輸とOSAROは今回の実証実験を通じて課題を抽出し、現場での導入に向け、抽出した課題の解決に取り組んでいく。「自動×自動」のマッシュアップで、倉庫内の省人化に大きな貢献を果たしていけるか、注目だ。
【参考】関連記事としては「3年半で約4倍!アルペン物流倉庫、自動運転ロボが増殖中」も参照。