アメリカや中国だけではなく、韓国でも有料の自動運転タクシーサービスの開始が発表された。運行するのは、韓国ソウル市西部のサンアムドン地区。ソウル市庁が2022年2月14日までに明らかにした。
■自動運転タクシー4台が稼働!3月には自動運転バスも
自動運転タクシーは4台運行する。スマートフォンアプリ「TAP!」を利用すれば、誰でもタクシーを呼ぶことができ、事前に設定した任意の地点で降りることができる。アプリは2月10日からGoogle Play StoreまたはAppleのApp Storeでダウンロード可能となっている。
1乗車につき2,000ウォン(約200円)がアプリを通じて自動的に支払われるが、プロモーションの一環として、サービスを初めて利用する人には無料乗車券を提供する。
2022年3月には自動運転バスの運行もスタートする予定だ。ソウル市はサンアムドン地区を自動運転車実験エリアとしており、2022年末までに最大12台の自動運転型公共交通車両の運行を目指している。
ソウル市の呉世勲(オ・セフン)市長は2021年11月に「ソウル自動運転ビジョン2030(Seoul Self-driving Vision 2030)」を発表している。公共交通に自動運転タクシーや自動運転バスを導入する計画で、2030年までに世界のトップ5に入る目標を掲げ、2022年からの5年間で1,500億ウォン(約145億円)規模の投資を行っていくという。
■「aTaaS」を掲げ注目度急上昇中の42dotが運行?
今回ソウルで始まる自動運転タクシーサービスについて、どの民間企業が運行に携わるのかについては発表されていない。しかし、ソウル市庁が公開した写真を見ると、自動運転技術を開発する「42dot」というスタートアップのようだ。
42dotは2019年、韓国のネット大手ネイバー(NAVER)出身のソン・チャンヒョン氏により設立された。「aTaaS(autonomous Transportation-as-a-Service)」という概念を掲げており、全ての交通機関を自動運転化することを目標としている。
事業初期段階のシリーズAの資金調達では、韓国において最大規模の1,040億ウォン(約100億円)を集めた。韓国最大手自動車メーカーのヒュンダイや韓国電子機器大手のLG電子、韓国総合食品メーカーCJなど大手企業が投資しており、注目度の高さがうかがえる。
▼42dot公式サイト
https://42dot.ai/
■【まとめ】韓国の自動運転、急激に盛り返し中
アメリカや欧州、中国、日本と比べると、韓国は自動運転分野で出遅れ感が強かった。しかし、最近は韓国政府も技術の実用化に向けて積極的な後押しを行い、急速に盛り返してきている印象だ。
2022年にはヒュンダイが自動運転レベル3の市販車を発売する予定であることも発表されている。今後も韓国の動向に注目だ。
【参考】関連記事としては「韓国MORAI、仮想空間に20以上の実在都市を再現!自動運転テスト向け」も参照。
大手デジタルマーケティングエージェンシーのアイレップにて取締役CSO(Chief Solutions Officer)として、SEO・コンテンツマーケティング等の事業開発に従事。JV設立やM&Aによる新規事業開発をリードし、在任時、年商100億から700億規模への急拡大を果たす。2016年、大手企業におけるデジタルトランスフォーメーション支援すべく、株式会社ストロボを設立し、設立5年でグループ6社へと拡大。2018年5月、自動車産業×デジタルトランスフォーメーションの一手として、自動運転領域メディア「自動運転ラボ」を立ち上げ、業界最大級のメディアに成長させる。講演実績も多く、早くもあらゆる自動運転系の技術や企業の最新情報が最も集まる存在に。(登壇情報)
【著書】
・自動運転&MaaSビジネス参入ガイド
・“未来予測”による研究開発テーマ創出の仕方(共著)