千葉市で自動運転バス実証!「技術」と「サービス」の両面から検証

イオンモール拠点、京成バスなどが実施



千葉県千葉市はこのほど、自動運転車社会実装サポート事業の一環として、幕張新都心地域での自動運転バスの実証実験の実施について発表した。実施日は2022年1月15〜16日。自動運転移動サービスの社会実装に向け、細かな検証を行うことを目的としたものだ。


実証実験はすでに終わっているが、どのような検証項目が設定されたのかなどを説明していこう。

■自動運転の社会実装を見据えた実証実験

実証実験のルートは「イオンモール幕張新都心~ZOZOマリンスタジアム~JFA夢フィールド幕張温泉『湯楽の里』」で、実証実験では「技術検証項目」と「サービス検証項目」が設定された。まず技術検証項目は以下の通りだ。

  • 車両および自動運転技術に関する検証(主にGNSS正確性評価)
  • 道路環境および交通環境への適応に関する検証

「車両および自動運転技術に関する検証」では主にGNSS(全地球測位システム)の正確性評価、「道路環境および交通環境への適応に関する検証」では多車線環境下での右左折や渋滞区間の対応などが主な内容となっている。

一方、サービス検証項目は以下の通りとなっっている。


  • 新駅開業に伴う新ルートのニーズ調査
  • 自動運転車両の社会受容性および事業性
出典:千葉市プレスリリース
■「近未来技術実証・多文化都市」の実現に向けて

千葉市は2016年に「幕張新都心を中核とした『近未来技術実証・多文化都市』の構築」を掲げている。

国家戦略特区にも指定され、先端技術を活用したドローンや自動運転車などの技術実証の実施や、新たなビジネスモデルの創出に向けた取り組みを行ってきた。今回の実証実験もこの流れをくむものだ。

ちなみに今回の実証実験には、京成バスと損保ジャパン、アイサンテクノロジー、建設技術研究所、埼玉工業大学が参加した。

京成バスは実証全体の総括を担い、損保ジャパンは自動運転リスクアセスメント、アイサンテクノロジーは自動運転用3次元地図作成と自動運転走行支援を担当した。埼玉工業大学は自動運転車両の提供や運転手のトレーニングなどを担った。


■実証実験のフェーズから社会実装のフェーズへ

2022年も幕を開けた。自動運転を活用した移動サービスは、徐々に実証実験のフェーズから社会実装のフェーズへと移行していく。細かな技術検証やサービス検証を経て、千葉市で自動運転の社会実装が進むか注目だ。

記事監修:下山 哲平
(株式会社ストロボ代表取締役社長/自動運転ラボ発行人)

大手デジタルマーケティングエージェンシーのアイレップにて取締役CSO(Chief Solutions Officer)として、SEO・コンテンツマーケティング等の事業開発に従事。JV設立やM&Aによる新規事業開発をリードし、在任時、年商100億から700億規模への急拡大を果たす。2016年、大手企業におけるデジタルトランスフォーメーション支援すべく、株式会社ストロボを設立し、設立5年でグループ6社へと拡大。2018年5月、自動車産業×デジタルトランスフォーメーションの一手として、自動運転領域メディア「自動運転ラボ」を立ち上げ、業界最大級のメディアに成長させる。講演実績も多く、早くもあらゆる自動運転系の技術や企業の最新情報が最も集まる存在に。(登壇情報
【著書】
自動運転&MaaSビジネス参入ガイド
“未来予測”による研究開発テーマ創出の仕方(共著)




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