「無人」の小型航空機と、「無人」の配送ロボットが、将来的にコラボレーションすることになりそうだ。川崎重工業は2021年12月2日までに、「無人×無人」で物資を輸送する概念実証に成功したことを発表した。
将来的に自動飛行・自律走行技術を活かした配送スキームを構築し、物流業界における労働力不足などの課題解決を目指すという。
■今回行われた概念実証の概要は?
今回の概念実証の詳しい手順が、報道発表で紹介された。具体的には以下の通りだ。
- ①手動積込:有人での配送ロボットへの荷物積込
- ②ロボ自動乗り込み:配送ロボットが自動走行を行い駐機中の無人VTOL機へ接近し、自動で乗り込む
- ③自動離陸:無人VTOL機が配送ロボットの乗り込み後に自動で離陸
- ④自動飛行:無人VTOL機があらかじめ定められた経路を自動で飛行
- ⑤自動着陸:無人VTOL機があらかじめ定められた着陸地点に自動で着陸
- ⑥ロボ自動離脱:無人VTOL機が着陸後、配送ロボットが自動で無人VTOL機から離脱を図り、荷物の配送目的地へ自動走行
- ⑦手動取出:配送ロボットが自動走行で配送目的地へ到達後、有人で荷物を取出
空路を使えば、道路交通状況や地形特性に捉われない迅速な物資輸送が実現でき、離島などへの物資輸送でもこうしたスキームの活躍が期待できそうだ。
■グループビジョン2030の実現に向けて
川崎重工グループは目指す将来像として「グループビジョン2030」を掲げ、力を注ぐ分野の1つに「近未来モビリティ」を挙げている。
「人やモノが安全で素早く効率良く移動できる社会を新モビリティで創る」をスローガンに、空港物流の自動化や災害対応型モビリティなどの社会実装を目指しており、「物流領域における戦略的パートナーシップを2022年度から構築していく」としている。
今回の取り組みも、こうしたグループビジョンに合致するものだ。無人×無人の配送イノベーションの進展に、引き続き注目していきたい。
【参考】関連記事としては「強力布陣で挑む!自動搬送ロボ、いよいよ都内で「車道端」も走行」も参照。