「空飛ぶクルマ」の型式証明、申請・審査の流れは?SkyDriveが申請第1号に

国土交通省が説明資料を公表



「空飛ぶクルマ」の型式証明とはどのような申請手続きで進められるのだろうか。国土交通省は2021年11月5日までに、申請手続きなどの手順を公表した。







申請手続きの手順については、型式証明の申請を株式会社SkyDrive(本社:東京都新宿区/代表取締役CEO:福澤知浩)から受け付けたことを発表する際に、合わせて明らかにされた。

ちなみに空飛ぶクルマの型式証明の申請受付は、今回のSkyDriveのケースが日本第1号となる。

▼型式証明の手続き
https://www.mlit.go.jp/report/press/content/001429453.pdf

■機体開発と並行して国が審査を実施

政府は2018年に空飛ぶクルマの実現に向け、官民協議会「空の移動革命に向けた官民協議会」を設立した。

同年12月には日本が取り組むべき技術開発や制度整備などについて協議し、「空の移動革命に向けたロードマップ」を取りまとめ、空飛ぶクルマの実用化へ向けて環境整備を進めている。ロードマップはその後、2021年に最新版が公開された。

▼空の産業革命に向けたロードマップ2021
https://www.kantei.go.jp/jp/singi/kogatamujinki/kanminkyougi_dai16/siryou4.pdf

出典:国土交通省(クリックorタップすると拡大できます)

国土交通省が設定した空飛ぶクルマの型式証明では、国が機体の設計の安全性・環境適合性に関する基準に適合するかの審査や検査を、開発と並行して進めていく。

今後、愛知県にある航空機技術審査センターが中心となって、開発の進捗に合わせた型式証明審査を進めていくようだ。

■空飛ぶクルマの「型式証明」の申請・審査の流れは?

では空飛ぶクルマの型式証明の申請・審査は、具体的にはどのような流れで進められるのだろうか。公表された資料によると、以下のステップを踏んで進むという。

  • 適用基準の合意:適用される耐空性基準の設定 ・設計の特徴に応じた特別要件の設定
  • 適合性証明計画の合意:適合性証明計画、適合性見解書など
  • 図面・解析書などの検証:性能計算書、強度計算書、電気負荷解析書など
  • 各種試験の実施:材料試験、構造部品強度試験、全機強度試験、装備品・システム機能試験など
  • 製造過程、品質管理体制の確立と検証:適合検査など
  • 飛行試験の実施:社内飛行試験・型式証明飛行試験

なお、図面・解析書などの検証や各種試験への立ち合いは、飛行試験の進捗に合わせて継続される。上記の全ての適用基準への適合性が確認されると「型式証明書」が発行される。

出典:国土交通省(クリックorタップすると拡大できます)
■空飛ぶクルマの実用化へまた一歩前進

都心部の渋滞を回避した通勤や通学、離島や山間部での新たな移動手段として期待されている空飛ぶクルマ。国内でも年々機運が高まっており、今後数年で大きく進展する可能性が高い。物流分野での活用への期待感も大きい。

今回、国土交通省が空飛ぶクルマの型式証明の申請受付を開始したことで、また一歩実用化へ近付いたと言える。

型式証明の発行まではさまざまな審査や検証をクリアする必要があるが、SkyDrive以外の開発企業の申請も続くだろう。今後も空飛ぶクルマ関連から目が離せない状況だ。

【参考】関連記事としては「空飛ぶクルマとは?いつから乗れる?必要な技術は?」も参照。

記事監修:下山 哲平
(株式会社ストロボ代表取締役社長/自動運転ラボ発行人)

大手デジタルマーケティングエージェンシーのアイレップにて取締役CSO(Chief Solutions Officer)として、SEO・コンテンツマーケティング等の事業開発に従事。JV設立やM&Aによる新規事業開発をリードし、在任時、年商100億から700億規模への急拡大を果たす。2016年、大手企業におけるデジタルトランスフォーメーション支援すべく、株式会社ストロボを設立し、設立5年でグループ6社へと拡大。2018年5月、自動車産業×デジタルトランスフォーメーションの一手として、自動運転領域メディア「自動運転ラボ」を立ち上げ、業界最大級のメディアに成長させる。講演実績も多く、早くもあらゆる自動運転系の技術や企業の最新情報が最も集まる存在に。(登壇情報
【著書】
自動運転&MaaSビジネス参入ガイド
“未来予測”による研究開発テーマ創出の仕方(共著)









関連記事