自動運転は「愛馬」を目指す!?トヨタイムズで観るべき動画8選

香川編集長の自動運転体験やWoven City関連



「クルマの時代から、もっと自由に移動を楽しむモビリティの時代へ」――この変化を伝えていくトヨタのオウンドメディア「トヨタイムズ」のコンテンツが充実の一途をたどっている。俳優の香川照之編集長のもと、連日のようにトヨタ関連の情報がさまざまな観点から発信されており、中には自動運転やWoven City関連の情報も出ている。

この記事では、トヨタイムズの中から自動運転関係者が観るべき動画8本をピックアップし、紹介していく。


■【Q&A】豊田章男への37の質問(2019年4月5日:28分35秒)

米国で開催された「The Economic Club of Washington, D.C.」にゲストスピーカーとして招かれた豊田章男社長と、主催者のデビッド・ルーベンステイン氏によるQ&Aセッションを収めた動画だ。計37に渡る質問が行われたようだ。

「トヨタとトヨダの違い」「マスタードライバーは危険ではないのか」といった章男社長にまつわる質問をはじめ、「日米関係について」や「ライドシェアの影響」「どのくらいの時期に自動運転を導入するのか」「空飛ぶクルマは考えているか」「月面で走るクルマは儲かるのか」――など、多彩な質問を浴びせられている。

■香川編集長 編集長、自動運転を初体験(2019年8月5日:8分21秒)


TRIでリスクアセスメント責任者を務めるジョン・レナード氏に香川編集長がインタビューする内容だ。駐車場で試験車用の説明を受けた香川編集長が「自動運転を体験してみませんか?」と言われ、「待ってたよ、その言葉を!」――と自動運転車の初試乗に臨む。

改造したレクサス車の後部座席に乗り込んだ香川編集長は、自動運転モードに切り替わると「(ハンドルから)外してるよ、手を!」「アクセルは踏んでるの?」と興奮した様子。

その後、レナード氏から路上の人間とのやりとりやHDマップのメンテナンスなど4つの課題について説明を受けている。

■東富士研究所 取材 フルバージョン(2019年9月6日:15分9秒)


TRIに続き、日本でも自動運転の研究を行っているというトヨタ東富士研究所を香川編集長が訪れる内容だ。

TRIと同研究所の取り組みの違いとして「判断してクルマをどう動かすかクルマの乗り味、乗り心地のようなことを研究している」と説明を受けた香川編集長が、「乗り心地が自動運転と関係ある?」と疑問を抱きながらテストコースでの試乗に臨む様子が収められている。

中には、円形のコースで自動運転車がドリフトする貴重な様子も収められている。横滑りなどさまざまな環境に対応すべく、こうした研究も進めているようだ。

■香川編集長 TRI-AD取材 フルバージョン(2019年11月18日:17分32秒)

香川編集長がTRI-AD(現ウーブン・プラネット・ホールディングス)を訪問し、ジェームス・カフナーCEO(最高経営責任者)や鯉渕健CTO(最高技術責任者)らから話を聞いたり、首都高速道路における自動運転の実証実験を体験したりする様子が収められている。

高速道路では、自動運転による車線変更や追い越し、合流などを体験し、香川編集長は「当たり前のように首都高走ってるってすげーな!」と感銘を受けていた。

カフナー氏は「自動運転開発は私たちの世代における月面着陸のようなもの。信頼できる技術の開発は非常に難しく、素晴らしいハードウェアとソフトウェアがどちらも必要不可欠」と話し、TRI-ADではソフトウェアにおけるトヨタ生産方式の開発を進めていることなどを説明している。

■自動運転の究極の姿は「愛馬」かもしれない(2019年12月2日:8分25秒)

香川編集長がTRI-ADを訪問した際の鯉渕健CTOとの対話をピックアップした動画だ。鯉渕氏は、TRI、TRI-AD、東富士研究所(トヨタ)の違いについて、「TRIは技術のPossibility=可能性を見つけるところ。TRI-ADは、そのFeasibility(実現可能性)を確認するところ。そしてトヨタは最後にお客様に手頃な価格で信頼性のあるものをお届けする役目」と話している。

このほか、ガーディアンとショーファーといった技術の説明や、香川編集長からの「自動運転はいつ完成するのか?」といった問いなどにも答えている。

■Woven Cityイメージビデオ long ver(2020年1月15日:1分52秒)

静岡県裾野市で建設中のWoven Cityのイメージビデオだ。従来の道路空間や街並みがどのように変わっていくかをCGでイメージしている。

網の目に広がった都市空間で、e-Paletteや自律走行する室内用ロボット、空飛ぶクルマなどが住人と共生している様子などが収められている。e-Paletteが広場に並び、小売りなどに活用されているものと思われる場面など、未来の都市空間として想像力を掻き立てられる仕上がりだ。

■香川編集長 Woven City着工取材フル | トヨタイムズ(2021年3月18日:38分29秒)

新人記者の森田京之介氏のデビュー動画で、前半ではWoven City着工式の様子や、東富士工場の歴史などが紹介されている。一方、後半ではウーブン・プラネット・ホールディングスのオフィスを訪問し、企業概要の説明を受けつつWoven Cityの構想に迫っている。

Woven City関連では、開発のフェーズ1に位置付けられている物流センターで活躍する自動配送ロボット「S-Palette」開発に向けた取り組みなどが紹介されている。

■豊田社長に聞いた!「Woven Cityって街なの?テストコースなの?」(2021年10月6日:37分10秒)

トヨタイムズ放送部に豊田章男社長が出演し、Woven Cityに関する考え方を示している。章男社長はWoven Cityについて「自動運転車の目的は安全。Woven Cityはクルマの安全とともに、道、人を加えた三位一体で安全を確保するためのテストコース」と語った。

また、「150×150メートルの一つのユニットに4本の道があること以上については商品開発に関わる」とし、現時点では公表できる情報に限りがあることにも言及している。

■【まとめ】トヨタの開発姿勢に迫るトヨタイムズ

自動運転開発スタートアップなどが公開している動画と異なり、自動運転車が公道をすいすいと走行するPR動画は少ない。メディアとして、取材・対話を中心とした構成で自動車に対するトヨタの考え方に迫る内容が多い印象だ。開発競争には乗らず、安全性能の向上とドライブの楽しさの両立を目指すトヨタの開発姿勢の表れと言っても良さそうだ。

とは言え、今後はWoven Cityの進捗やe-Paletteの実証増加などとともにリアルな自動運転技術を披露するコンテンツも増加していくものと思われる。トヨタの今と将来に迫るトヨタイムズに引き続き注目だ。

【参考】関連記事としては「トヨタの自動運転戦略とは?「e-Pallete」が戦略の軸」も参照。

記事監修:下山 哲平
(株式会社ストロボ代表取締役社長/自動運転ラボ発行人)

大手デジタルマーケティングエージェンシーのアイレップにて取締役CSO(Chief Solutions Officer)として、SEO・コンテンツマーケティング等の事業開発に従事。JV設立やM&Aによる新規事業開発をリードし、在任時、年商100億から700億規模への急拡大を果たす。2016年、大手企業におけるデジタルトランスフォーメーション支援すべく、株式会社ストロボを設立し、設立5年でグループ6社へと拡大。2018年5月、自動車産業×デジタルトランスフォーメーションの一手として、自動運転領域メディア「自動運転ラボ」を立ち上げ、業界最大級のメディアに成長させる。講演実績も多く、早くもあらゆる自動運転系の技術や企業の最新情報が最も集まる存在に。(登壇情報
【著書】
自動運転&MaaSビジネス参入ガイド
“未来予測”による研究開発テーマ創出の仕方(共著)




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