自動運転車の車内は大きく変わると言われており、特にディスプレイの重要性がいまより増すとみられている。
その理由の1つとしては、運転を司るAI(人工知能)が次にどのような運転操作をするのか、乗員向けに表示する必要があることがある。乗員の「安心」を考慮すると、AIの意思を「見える化」することは非常に重要なことだ。
また、人が運転に関与しなくてもよくなれば、車内で動画コンテンツなどのエンターテインメントを楽しみやすくなる。そういう意味でも、自動運転時代は車載ディスプレイのニーズが高まるとみられている。
■自動車用スマートディスプレイ、2025年には1兆円市場に
このようなことを背景に、自動車用スマートディスプレイの市場規模は将来拡大することが予想される。
米コンサルティング企業のMarketsandMarkets社のレポートによれば、市場規模は2020年の72億ドル(約7,500億円)から、2025年には109億ドル(約1兆1,300億円)まで拡大する見通しだという。
2020年は新型コロナウイルスの影響で自動運転やADAS(先進運転支援システム)の実証実験に遅れが生じているものの、今後は半自律型および自律型車両の需要の増加などに伴い、2025年までに年平均成長率(CAGR)8.8%での市場拡大が予測されるという。
車とスマートフォンの接続が進むことも成長要因の1つのようだ。Android AutoやSpotify、Apple CarPlayなどの自動車向けインフォテインメントシステムとスマホが同期されることが当たり前になるにつれて、車内のスマートディスプレイの需要が高くなると予想されている。
■車載向けディスプレイの市場は確実に拡大
自動運転市場の拡大に伴い、車載向けディスプレイの市場も確実に拡大する。そしてディスプレイの形状や設置場所も多様化すると考えられている。すでにフロントガラスやサイドガラス、さらには天井がディスプレイ化されるアイデアも、製品化に向けて開発が進んでいる。
冒頭でも述べたが、自動運転化によって車内は大きく変わる。その大きな変化の1つが「ディスプレイ」に関することなのだ。
【参考】関連記事としては「これが自動運転時代のエンタメ!「天井ディスプレイ」を国内初展示」も参照。