トヨタ自動車やソフトバンクなどが出資するMONET Technologies株式会社(本社:東京都千代田区/代表取締役社長:宮川潤一)が、MaaSのシステム開発用に各種APIを提供する「MONETマーケットプレイス」を正式オープンさせた。
この記事ではMONETマーケットプレイスで具体的にどのようなAPIが提供されるのかを解説する。
■一般企業の利用開始とAPI提供企業も募集!
MONETマーケットプレイスでは天気や観光、地図情報などのさまざまなデータや、オンデマンドバスシステムや決済システムなど、MaaSのシステム開発に活用できる各種APIを提供していく。
同年4月から企業横断型組織「MONETコンソーシアム」に加盟するシステム開発などの企業が試験的に利用していたが、今回の正式オープンによって、一般の企業もMONETマーケットプレイスを利用できるようになった。同時にMONETマーケットプレイスにAPIを提供する企業も募集するという。
MONETマーケットプレイスは企業や自治体のMaaS実現を支援する「MONETプラットフォーム」の一部であり、MONETプラットフォームは車両データや移動データを集約したデータ基盤とMONETマーケットプレイスにより構成されている。
■決済や天気、旅、地図、本人確認情報など多彩なAPI
今回スタートさせるAPIでは、MONETがクレジットカードとPayPayでの決済可能な「決済」や、乗車券や入場券となるQRコードを予約・決済情報を基に発行する「チケット」を提供する。2020年度内にはオンデマンドバスの運行に不可欠な予約や運行管理のAPI「オンデマンドバス」も提供予定だという。
ウェザーニュースが提供する「天気予報API」は、全国1キロ四方の1時間ごとの天気予報や、指定した場所の最寄りの観測地点の観測データを過去2008年までさかのぼり取得できる。JTBパブリッシングの「るるぶDATA API」では、旅行情報誌に掲載している観光スポットやイベント・温泉情報など、全国を観光視点で区切った情報を取得できる。
ゼンリンデータコムの「いつもNAVI API」は、エンタープライズ向けサービスとして、多彩な地図と位置情報サービスをウェブ上やスマホアプリに実装するための開発ツールがセットになったものだ。オプティマインドの「Loogia」は配送と輸送事業者向けのAPIで、過去の走行データからラストワンマイルでの最適な配送ルートを計算できる。
今後、サイバートラストの「iTrust本人確認サービスAPI」も提供が決まっている。マイナンバーカードと公的個人認証サービスを活用して犯罪収益移転防止法に対応したオンライン本人確認や現況確認を実現するものだ。
■【まとめ】大手だけでなくベンチャーも採用
APIを用いて開発される新たなオリジナルサービスで、より一層便利な社会になることが期待される。大手のAPIに混じって名古屋大学発ベンチャーであるオプティマインドの「Loogia」が提供されている点にも注目だ。今後新たに提供されるAPIにも期待したい。
【参考】関連記事としては「MONET TechnologiesのMaaSソリューションと導入事例まとめ」も参照。