自動運転タクシーの車内における乗客の「可処分時間」を狙った広告配信の最適化の取り組みを、業界最大手のGoogleがスタートさせることになりそうだ。
米国の研究者Jane Manchun Wong氏は、Waymoの未公開のプライバシーポリシーの草案を発見し、X(旧Twitter)に投稿した。Waymoは「乗客の識別情報と関連付けられた車内カメラデータ」を使用して生成AIの訓練を行っているという。そしてその未公開のプライバシーページには、下記の記載がある。
「Waymoは、機能の向上や分析、およびお客様の関心に合わせた製品、サービス、広告、オファーを提供するためにデータを共有する場合があります。ただし、サービスの運営に不可欠な場合を除き、第三者との情報共有をオプトアウト(拒否)することができます」
つまり、Waymoが乗客のデータを活用してパーソナライズド広告(※ユーザーの興味関心や行動履歴に基づいて、そのユーザーに最適な広告を表示する仕組みのこと)を行うことを示唆している。
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■自動運転車で生じる「可処分時間」
以下がJane Manchun Wong氏のXでの投稿内容だ。「Privacy」と書かれたタイトルの下の文章に、先程の記載がある。
Waymo is working on Generative AI training using “interior camera data associated with rider’s identity,” provides opt-opts for this and data sharing under CCPA
Waymo explicitly states in this unreleased Privacy page it may share your data for personalized ads pic.twitter.com/wDUu867Eh3
— Jane Manchun Wong (@wongmjane) April 5, 2025
自動運転分野の専門家であり、同分野における広告ビジネスの第一人者でもある下山哲平(自動運転ラボ主宰)は「手動運転車で運転をしていた人が、自動運転車の車内では1人の乗客となり、車内に滞在する時間はその人にとって『可処分時間』になる」と説明する。
その上で、「その可処分時間に目にしてもらうことを狙った広告配信が始まることは予想できていた。業界最大手のGoogleが動き始めたことで、一気にこの流れが加速する可能性がある」と指摘する。
現在、手動運転のタクシーにおいても乗客向けの車内広告は専用タブレット端末の設置などで進みつつある。下山は「自動運転タクシーがパーソナライズド広告で広告収益を最大化できれば、運賃を限りなく安く、もしくはゼロ円にする施策がコスト的に可能になり、それによりさらに利用客が増やし、広告収益のさらなる増加を狙うという良いサイクルを生み出せる」と話す。
【参考】関連記事としては「自動運転ビジネス専門家・下山哲平が語る「桶屋を探せ」論」も参照。
■Waymoは公式コメントを発表
Waymoの広報担当者は「この機能は現在開発中であり、Waymoのプライバシーポリシーに変更を加えるものではなく、むしろ乗客が『機械学習』の訓練目的でのデータ収集をオプトアウト(拒否)できる機会を提供するものだ」と米メディアにコメントした。
同社がAIモデルを訓練するために個人データを使用するのは、安全性の向上や車両の清掃状況の確認、紛失物の発見、緊急時の支援、車内ルールの遵守確認、そして全体的な製品・サービスの改善のためであるとしている。ターゲット広告のためにこのデータを使用する予定はないと言明した。
Waymoが収集する全てのデータは、ロボタクシーサービス「Waymo One」のプライバシーポリシーに従って取り扱われることになる。広報担当者は「このポリシーには、Waymoが製品やサービスを通じて収集した個人情報を、他のAlphabet傘下の企業と共有することはないと明記されている。ただし、ユーザーの同意がある場合、Waymoにサービスを提供する目的の場合、プライバシーポリシーの共有セクションに記載されている場合を除く」と説明した。
なおAlphabet傘下でAI開発を行っている企業には、GoogleやDeepMindなどがある。

■今後も議論が続くトピックス
Waymoは乗客側の拒否の権利を明言しているが、拒否の選択肢を乗客がどう行使するのかについて、広報担当者は「導入方法については、まだ最終決定されていない」と述べているようだ。
米国内でロボタクシーサービスを拡大中もWaymoだが、自動運転車の車内カメラから取得したデータの取り扱いについては、今後も議論が続きそうだ。
【参考】関連記事としては「Google/Waymoの自動運転戦略まとめ ロボタクシーの展開状況は?」も参照。