DeNA SOMPO Carlife、4.4億円の赤字決算 クルマ定額サービスを展開

新たに中古車の販売サービスも



出典:官報(※クリックorタップすると拡大できます)

モビリティサービス事業を手掛ける株式会社DeNA SOMPO Carlife(本社:東京都渋谷区/代表取締役社長:水沼義尚)の第5期(2023年3月31日現在)決算公告が、このほど官報に掲載された。

当期純損失は、前期から赤字額を30.7%減らし、4億4,735万円であった。なお、これまでの当期純損失は以下のように推移している。


<純損益の推移>
・第1期:▲5,000円
・第2期:▲2億2,775万1,000円
・第3期:▲5億4,199万9,000円
・第4期:▲6億4,556万5,000円
・第5期:▲4億4,735万2,000円
※▲はマイナス

■決算概要(2023年3月31日現在)
賃借対照表の要旨(単位:千円)

▼資産の部
流動資産 1,181,890
固定資産 3,040
資産の部合計 1,184,930
▼負債及び純資産の部
流動負債 347,605
固定負債 2,500,000
株主資本 △1,662,674
資本金 100,000
資本剰余金 100,000
資本準備金 100,000
利益剰余金 △1,862,674
その他利益剰余金 △1,862,674
(うち当期純損失 447,352)
負債及び純資産の部合計 1,184,930

■クルマ定額サービス「SOMPOで乗ーる」
出典:DeNA SOMPO Carlife公式サイト

DeNA SOMPO Carlifeは、DeNAとSOMPOホールディングスの合弁会社として2019年3月に設立された。「より安心・安全で、さらなる利便性を追求したカーライフサービスを創造し、世の中に新たな価値を提供すること」をミッションとし、マイカーリース事業を手掛けている。

具体的には、クルマ定額サービス「SOMPOで乗ーる」の運営を行っている。定額料金には、クルマ代のほか税金や車検代、メンテナンス代、保険料などが全て含まれている。


現金やローンでクルマを購入する場合は、車両代全額を支払うことになる。そのほか頭金や初期費用、メンテナンス代、車検代などの出費がある。それに対しSOMPOで乗ーるでは、クルマの購入・維持費など必要な費用から、契約期間満了時の予想車両価格(残価)を差し引き、残りのクルマ代を支払うというシステムになっている。契約期間分だけの支払いで済むということだ。

クルマは、トヨタ日産ホンダ、マツダといった日本メーカーのほか、BMWやメルセデス・ベンツ、フォルクスワーゲンなどの外国車など多数のラインナップの中から新車を選択できる。

ちなみにDeNA SOMPO Carlifeは2023年5月から、中古車の販売サービス「Ucar SOMPOで乗ーる」の提供も開始した。

■グループには個人間カーシェア事業の会社も

DeNAとSOMPOホールディングスは、個人間カーシェア事業の合弁会社であるDeNA SOMPO Mobilityも同じタイミングで設立している。


DeNA SOMPO Mobilityは、個人間カーシェアサービス「Anyca(エニカ)」の運営を行っている。クルマのオーナーがスマホで車両やシェア条件を登録し、利用を希望するドライバーはスマホでクルマ検索ののち予約リクエストを送る。オーナーが承認すると、予約が確定するという流れになっている。クルマの受け渡しは、待ち合わせ場所で行う。

■中古車の販売もスタート

従来の方式でのクルマの所有は最初にまとまった費用が必要で、平均賃金が伸び悩む日本において、若者などにはハードルが高い。そんな中、DeNA SOMPO Carlifeは時代にマッチしたモビリティ事業を手掛けていると言える。今後の躍進に期待したい。

※官報に掲載された決算公告に関する記事は「自動運転・MaaS企業 決算まとめ」から閲覧頂くことが可能です。

記事監修:下山 哲平
(株式会社ストロボ代表取締役社長/自動運転ラボ発行人)

大手デジタルマーケティングエージェンシーのアイレップにて取締役CSO(Chief Solutions Officer)として、SEO・コンテンツマーケティング等の事業開発に従事。JV設立やM&Aによる新規事業開発をリードし、在任時、年商100億から700億規模への急拡大を果たす。2016年、大手企業におけるデジタルトランスフォーメーション支援すべく、株式会社ストロボを設立し、設立5年でグループ6社へと拡大。2018年5月、自動車産業×デジタルトランスフォーメーションの一手として、自動運転領域メディア「自動運転ラボ」を立ち上げ、業界最大級のメディアに成長させる。講演実績も多く、早くもあらゆる自動運転系の技術や企業の最新情報が最も集まる存在に。(登壇情報
【著書】
自動運転&MaaSビジネス参入ガイド
“未来予測”による研究開発テーマ創出の仕方(共著)




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