株式会社豊田自動織機(本社:愛知県刈谷市/取締役社長:大西朗)は2021年10月28日までに、同社の社内カンパニー「トヨタL&Fカンパニー」の自動走行トーイングトラクターなどが、2021年度における「グッドデザイン賞」を受賞したことを発表した。
自動走行トーイングトラクターは、グッドデザイン賞を受賞した中の「ベスト100」にも選ばれている。
■トーイングトラクターとは?
2021年度グッドデザイン賞を受賞した電動式の自動走行トーイングトラクターは、空港で旅客の手荷物や貨物を搭載したコンテナドーリーという台車をけん引するトラクターだ。ターミナルの手荷物仕分け場から航空機付近までを自動走行する。
もちろん障害物を検知すると自動停止する。従来は人がメインで行う作業であったため、人手不足を解消するソリューションとして評価されたようだ。
ちなみに実用化に向け、2019年3月に佐賀空港で、2021年3月には羽田空港で全日本空輸と共同で実証実験を行っている。
■受賞に至ったポイントは?
今回受賞に至ったポイントは3つある。
1つ目は高度な自己位置推定機能だ。滑走路上など建物が少ない場所ではレーザー照射での自己位置推定が困難であるが、3D-LiDARやGNSS(全球測位衛星システム)に加えてRANDER(路面パターンマッチング)を補完的に使用することで自己位置推定を実現する。
2つ目は、「自動運転レベル3」での走行に必要なセンサー類が後付けで設置されているが、メンテナンスしやすい配置デザインである上、後付け感もないことだ。
3つ目は、車両自体が高性能な電動車であることだ。そして二酸化炭素(CO2)を排出しない電動車ながら、エンジン車に劣らない性能を持っているという。
■想像以上に早く空港での導入が進む?
空港の制限エリア内は公道ではないこともあり、自動運転車の導入のハードルが低い。そのため自動走行トーイングトラクターは、想像以上に早く空港での導入が進むかもしれない。今後も空港の無人化に注目したい。
【参考】関連記事としては「ソニーの「VISION-S」、グッドデザイン賞で高評価!自動運転レベル2搭載」も参照。