国土交通省は2021年9月23日までに、ゴルフカート型の自動運転車両による移動サービスを、島根県飯南町で導入すると発表した。車両はヤマハ発動機製で、道路に埋設された電磁誘導線を使って自動運転を行う。
国交省は道の駅などを拠点とした自動運転移動サービスの社会実装に取り組んできた経緯があり、道の駅での社会実装は秋田県と滋賀県に続いて3カ所目となる。
■定期券・回数券も発行される自動運転移動サービス
飯南町での自動運転サービスは、道の駅「赤来高原」と飯南町役場を結ぶ全長は約2.7キロメートルの走行ルートとなっており、2021年10月4日からスタートする。
ルート上の道路には「ここを自動運転車が走ります」と書かれた「路面標示」を設置し、地域住民が自動運転車が走行するルートだと分かるようにする。
乗車運賃は1回200円で、障害者手帳の所持者と高校生は100円、中学生以下は無料となっている。そのほか、1カ月定期を1,000円、11回つづりの回数券を2,000円で販売するという。
高齢者など地域住民の買い物や行政手続きのニーズに対応するため、比較的高頻度でエリア運行を実施する。運行日は月・火・木・土・日曜日で、平日は1日10便、土日祝日は1日6便の運行スケジュールとなっている。
車両には地元のタクシー会社のドライバーが乗車するが、通常時はハンドル操作などは行わず、運行の監視役を務める。
■道の駅では秋田県と滋賀県に続いて3カ所目
国土交通省は2017年度から自動運転サービスの実証実験を進めており、冒頭触れた通り、今回を含めて一部地域では社会実装が始まっている。道の駅を拠点にしたケースが今回の道の駅「赤来高原」を含めて3カ所、市役所を拠点としたケースが1カ所だ。
道の駅で初めて社会実装されたのは、秋田県北上小阿仁村の道の駅「かみこあに」で、2019年11月からサービス提供が開始されている。2カ所目は滋賀県東近江市の道の駅「奥永源寺渓流の里」で、2021年4月からサービス提供が開始されている
福岡県みやま市のみやま市役所山川支所を拠点としたサービス提供は、2021年7月から開始されている。
【参考】関連記事としては「道の駅と集落結ぶ自動運転サービス、商用化が決定!まず秋田で」「運賃150円の自動運転サービス、滋賀県の道の駅で始動!全国2例目、電磁誘導型」も参照。
■順調に進みつつある社会実装
道の駅を拠点とした自動運転サービスの社会実装が順調に進みつつある。道の駅は2021年6月時点で全国に1,193カ所ある。あなたの近くの道の駅でも、いずれは自動運転車両を移動サービスが登場するかもしれない。
▼飯南町道の駅「赤来高原」を拠点とした「自動運転サービス」がはじまります|島根県飯南町
https://www.iinan.jp/files/original/20210922105556143e69968a0.pdf
▼中山間地域における道の駅等を拠点とした自動運転サービス 道の駅「赤来高原」(島根県飯南町)で本格導入へ(中国地方初)|国土交通省
https://www.mlit.go.jp/report/press/road01_hh_001492.html
【参考】関連記事としては「自動運転の7つのKPI、国が達成度を公表!「自家用車レベル3」などクリア」も参照。