「空飛ぶクルマ」と呼ばれるeVTOL(電動垂直離着陸機)に関し、新たなプロジェクトが動き出した。
エアモビリティ関連事業を展開する株式会社AirX(本社:東京都新宿区/代表取締役:手塚究)は2020年2月26日までに、「三菱地所アクセラレータープログラム2020」の採択企業となったことを発表した。
同プログラムは、三菱地所がスタートアップ企業とオープンイノベーションに挑み、新たな事業創出を目指す取り組みだ。両社は今後、都心部と空港などを結ぶ空の移動プラットフォームの構築を目指し、eVTOL(電動垂直離着陸機)の事業開発に向けた検討を進める。
短中期的には、三菱地所が所有・管理する施設にヘリポートを設置し、ヘリコプターの運航と並行し、ヘリポートをeVTOLの離発着場所として活用できるよう設備の開発を進めるようだ。
■空の交通イノベーションに取り組むAirX社
2015年に設立されたAirXはヘリの手配サービスなどを運営しつつ、空の交通プラットフォームの開発に取り組んでいる。
2019年1月には「空飛ぶタクシー」市場の創出に向け、旅行会社を傘下に有するKNT-CTホールディングスと業務提携し、すでにAirXのヘリコプターを利用したツアー商品の販売が開始されている。
AirXは同年4月に、京浜急行電鉄などとともに新規事業の創出を目指す「京急アクセラレータープログラム」においても採択を受け、三浦半島と都心部の新たな移動プラットフォームの構築にも取り組んでいる。
■AirXが「空を身近に活用できる世界」を実現
日本では「空の移動革命に向けた官民協議会」において、2023年に空飛ぶクルマの事業開始、2030年の本格普及を目指すロードマップが策定されている。このロードマップが現実のものとなっていくためには、AirXのような民間企業による積極的な取り組みが欠かせない。
「空を身近に活用できる世界」を創ることをコンセプトに掲げるAirXに、引き続き注目していきたい。
【参考】関連記事としては「「空飛ぶクルマ」とは?2020年代に実現濃厚…基礎知識を徹底解説」も参照。