小田急電鉄株式会社(本社:東京都新宿区/取締役社長:星野晃司)と東日本旅客鉄道株式会社(本社:東京都渋谷区/代表取締役社長:深澤祐二)=JR東日本=はこのほど、オンデマンド交通を活用するMaaSの実現に向けた実証実験について発表した。
2021年1月18日〜3月12日に東京都町田市で実施するもので、東京都が公募した「令和2年度MaaS社会実装モデル構築に関する実証事業」に選定された取り組みだという。
小田急電鉄とJR東日本は鉄道会社間の境界を越え、「シームレスに移動できる社会の実現」に向けて連携している。2020年1〜3月には「『立川おでかけアプリ』を用いた立川駅周辺エリアにおけるMaaS実証実験」を行っており、今回の取り組みはそれに続くものだ。
■E-バスを1乗車100円で有償運行、配車依頼はアプリで
実証実験ではエリア内において、小田急グループの神奈中タクシーが乗合型のオンデマンド交通「E-バス」を有償(1乗車100円)で運行する。利用者は小田急電鉄のMaaSアプリ「EMot」を通じて配車依頼を行い、支払いもアプリ上で完結できる。
今回の実証実験の前には無償の運行実験が行われており、その結果を踏まえて利用のしやすさを向上させているという。また、無償の運行実験よりも乗降地点は7カ所多い。
実証実験ではE-バスの有償運行だけではなく、駅周辺の商業施設との連携も行う。町田駅直結の小田急百貨店町田店などで一定金額以上の買い物をした客に、E-バスと神奈川中央交通の路線バス(一部系統のみ)の往復券をセットにした無料デジタルチケットを発行する。
■オンデマンド交通の有償での運行、利用実績に注目
オンデマンド交通はバスよりも融通が効く移動手段として、各地方で導入が積極的に検討されている移動サービスだ。無償で実証実験が実施されている例も多くなってきているが、今回は有償での運行とのことで、利用実績がどれほどになるのか注目が集まりそうだ。
【参考】関連記事としては「MaaSアプリに「周遊プラン」提案機能!小田急「EMot」で2020年内に導入へ」も参照。