パイオニア株式会社の連結子会社であるパイオニアスマートセンシングイノベーションズ株式会社(本社:東京都文京区/代表取締役社長:高木晴彦)は、3D-LiDAR「1st Model」の近距離タイプ(Short Range)の量産を2020年11月下旬から開始したようだ。
1st Modelの近距離タイプは、共同開発契約を結んでいるキヤノンの光学レンズ技術も活かした製品だ。報道発表によれば、自動運転バスや中低速モビリティにおいて前方や死角の歩行者・自転車などを高精度に検知できるという。
2021年1月に量産開始予定の中距離タイプの3D-LiDARと組み合わせることで多様なニーズに対応できるという。
■3D-LiDAR専用の生産ラインで量産、安定供給へ
パイオニアスマートセンシングイノベーションズは、2019年にパイオニアの自動運転関連事業を担う会社として設立された企業だ。
このほど量産を開始した3D-LiDARは簡単に言えば、コンパクトかつ高性能を実現した製品であると言える。駆動部をなくすソリッドステートタイプで小型化を実現し、高速スキャニングで高密度・高精細な点群データを取得できるようにもした。
量産はパイオニアの川越事業所に新たに設置された3D-LiDAR専用の生産ラインで行われ、生産から品質管理までをワンストップで行うという。国内生産することで車載向けの厳しい品質を維持し、安定供給とアフターサポートに向けた万全の態勢を敷いている。
将来の市場の有望性で注目を浴びているLiDAR。最近では米開発企業のLuminarの上場を話題になり、2021年はLiDARに関するニュースはより増えていきそうだ。経営再建中のパイオニアにとってLiDARが起死回生の収益事業となっていくか、注目していきたい。
【参考】関連記事としては「LiDARとは?自動運転の目となるセンサー、レベル3実用化で市場急拡大」も参照。