大手ゼネコンの大成建設は2020年9月1日までに、市販の自律走行型多目的ロボット「temi」にPC・モバイル端末を利用して動作を指示できるコミュニケーションツール「BuddyBot」を搭載し、新たな病院運用システムの実証研究を開始したと発表した。
この実証研究は、名古屋大学医学部附属病院メディカルITセンターなどとともに取り組むもの。大成建設が進める先進的ICT(情報通信技術)を活用した「次世代型病院」(スマートホスピタル構想)を実現させることが目的だ。
■実証研究では具体的に何にトライする?
temiは1回の充電で約8時間稼働する多目的ロボットだ。自律走行が可能で、動作にクラウドが必須ではないという特徴などがある。
日本では後期高齢者の急増するものの、少子高齢化によって医師や看護師といった人材は不足していく。そんな中、BuddyBotを搭載した自律走行ロボットが人材不足の課題の緩和に一役買うと考えられている。
報道発表によれば、BuddyBotを搭載したtemiの実証研究は名古屋大学医学部附属病院の病棟や集中治療室(ICU)などで実施されるという。ICU内では看護師と病院内外の医師とのコミュニケーションツールとして活用されるようだ。
また自律移動できるロボットとして、書類や医薬品などの軽量なものの搬送作業も試す。コミュニケーション機能を活かし、マスクを着用していない人に対する声掛けなども行い、感染対策での活用も試みる。
■2つの技術の融合で広がる活躍シーン
単に自律走行が可能なだけでなく、人とコミュニケーションも取れるようになれば、ロボットの活躍シーンはより広がっていく。
こうしたコミュニケーションが可能な自立走行ロボットの実証実験はすでに商業施設などでも行われており、今後さらに注目を集めていきそうだ。
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