信州大学(所在地:長野県松本市/学長:濱田州博)と高速バス大手のWILLER株式会社(本社:大阪府大阪市/代表取締役:村瀨茂高)は2020年8月11日までに、長野県内の市町村が抱える地域課題の解決に向け、MaaSソリューションの構築を目指す共同研究を開始したと発表した。
長野県では中山間地域を中心に、人口減少や高齢化による交通ネットワークの弱体化が加速している。こうした状況が市民生活に及ぼす影響を鑑み、両者は交通の最適化や交流の増加、地域内での経済活性化などの課題に関する研究に取り組む。
その上で、マイカーに依存しない交通ネットワークの創出や新たなモビリティサービスの開発を進め、実証実験も実施していくという。
■両者の強みを生かした研究
共同研究では、両者の地域振興やMaaS領域でのこれまでの取り組みを生かす。
信州大学はこれまで周辺地域における課題の解決に向け、実態の把握や勉強会などを実施しており、地元自治体や地元企業と連携した取り組みも積極的に行っている。
一方のWILLERは、MaaSや自動運転などの次世代交通サービスや次世代モビリティへの取り組みに積極的で、すでに観光MaaSアプリを商用化しているほか、海外では自動運転のオンデマンドバスの取り組みを進めるなどしている。
信州大学が把握している地域の課題を共有した上で、WILLERがその課題を解決するためのソリューションの開発・提供に取り組めば、長野県内の市町村での地域課題の解決に大きく寄与しそうだ。
■研究期間は2020年4月〜2021年3月、その後継続も
報道発表によれば、研究期間は2020年4月から2021年3月とされているが、その後も継続を検討しているという。
両者は報道発表で「これからの生活スタイルに合わせた利便性の高い生活に必要な移動手段を確保し、それによる交流の創造と移動総量が増加することで、地域経済活性化に貢献することを目指します」としている。
【参考】関連記事としては「MaaS(マース)の基礎知識と完成像を徹底解説&まとめ」も参照。