急に現金が必要になったのに使える銀行ATMが近くに無く、困ったことがある経験がある人は少なくないはずだ。特に地震被害などの際には近くにATMがあっても使えなくなることがあり、停電でクレジットカードが使えないコンビニで買い物をするために現金を手に入れようとしても、難しいケースがある。
こうした課題を解決する方法はないか。1つ考えられるのは、ATMを搭載した自動運転車が街中をぐるぐる巡るという仕組みが構築されることだ。車両から電力が供給されれば停電時もATMを稼働させることができ、ATMを必要としている人がいる場所に自ら自律走行で向かうことができる。
こうした仕組みが決して非現実的なものではないと思わせた報道発表があった。それが「OKI、鹿児島銀行に一般車両搭載用「小型ATM」を納入」というプレスリリースだ。
■沖電気工業の発表の内容とは?
沖電気工業(本社:東京都港区/代表取締役:鎌上信也)=OKI=がこのほど発表したプレスリリースによれば、同社は鹿児島銀行に対して一般車両に搭載できる「小型ATM」を納品したようだ。ATMを分割して車両に載せることが可能で、小型のバンなどであれば無理なく搭載することが可能らしい。
この小型ATMを搭載する「移動ATMカー」は災害発生時などでの活躍が期待されているようだ。被災地を訪れて「引きだし」「預け入れ」「振り込み」などができれば、コンビニで現金でしか買い物ができないシーンなどで解決策の一つとなる。
■「ATM搭載の自動運転車」を開発する企業は出てくるか!?
もちろんお金を扱う移動ATMカーは警備体制についてしっかりと考える必要がある。ATMを自動運転車に搭載させる場合も同様のことが言えるが、無人コンビニ「Amazon GO」などのようにセンサーによって人を検知する仕組みを実装すれば、襲撃などを防ぐ抑止力になる。
いずれは完全なキャッシュレス社会が訪れるとしても、現金が必要となるシーンは日本ではまだまだ無くならない。こうした過渡期に活躍するかもしれない「ATM搭載の自動運転車」。どこかの企業が開発する可能性は十分ある?
【参考】関連記事としては「自動運転ラボ、2019年に読まれた「コラム」ランキング」も参照。
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