日本気象協会、路面状況のAI解析技術を開発へ 自動運転車の実用化見据え

Specteeと共同で取り組み



日本気象協会(本社:東京都豊島区/会長:石川裕己)と株式会社Spectee(本社:東京都新宿区/代表取締役社長:村上建治郎)は2019年2月7日までに、AI(人工知能)技術を活用した防災情報のリアルタイム提供に関する共同開発を行うと発表した。自動運転車の実用化を見据えた路面状態の把握などが目的だ。


近年多発する異常気象による交通への影響は年々大きくなっており、特に冬季における豪雪や吹雪による大規模な雪害が毎年発生している。今後実用化が進むとみられる自動運転車も例外ではなく、雪の影響で地形や方向などが認識不能になるホワイトアウトや路面の凍結などにより、スリップや視界不良での事故が懸念される。

こうした懸念が浮き彫りになる中、道路管理者などによる監視カメラやライブカメラの設置が進んでいるものの、高額な計測機器が必要であり技術的にも未成熟な部分が多く、人の目や感覚に頼った判断が行われることも少なくない。この度の共同開発ではこうしたカメラ映像を利用し、最新のAI技術を駆使した映像解析によって雨雪の判断や路面状況の判別、ホワイトアウトの程度などをリアルタイムで配信することを目指す。

出典:日本気象協会プレスリリース
■日本気象協会、自動運転実用化へ準備着々

日本気象協会は1950年に設立され、主に気象・環境・防災などの調査や情報提供を行っている。2018年1月からは自動車の自動運転支援を目的とした共同開発にも参加。気象情報を活用し自動運転に必要な情報の収集や気象情報の提供、実験システムの構築などを自動車メーカーとともに進めている。

SpecteeはAI技術を活用した情報発信のプラットフォームを開発・提供している企業。テクノロジーを駆使し世界中の情報をいち早く正確に配信することを目指している。同社が開発した「SNSリアルタイム緊急情報速報サービス Spectee」は、SNSに投稿された内容をAIが解析し、指定した事象に関連性が高いテキストや画像、動画をリアルタイムで収集できるサービスだ。


今回の共同開発によって、両者はAI技術による気象情報の事象判別や計測をリアルタイムで行うことを目指す。この情報を元に路面状況を加味した運転を行うなど、より安全な自動運転技術の開発に役立つと期待される。


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