フォーブス誌が2018年5月24日付で発表した「世界で最も価値ある100のブランド」ランキングにおいて、テクノロジー関連企業が上位を独占した。とりわけ自動運転関連事業を展開する企業も多く、世界において自動運転の市場価値が高まっている表れと言えそうだ。
ランキングは、1位からアップル、グーグル、マイクロソフト、フェイスブック、アマゾンの順で、IT・コンピューター関連が依然強い。その中でもアップル、グーグル、マイクロソフトの3社は自動運転の分野にも力を入れている。
その後も、7位サムスン、9位トヨタ、10位AT&T、12位GE(ゼネラル・エレクトリック)、13位メルセデス・ベンツ、14位インテル、16位シスコ、17位IBM、19位ベライゾン、20位BMWが、それぞれ自動運転に関わった事業展開をおこなっている。もちろん本業あってこその順位だが、それだけ多岐にわたる有力企業が自動運転に関わっていると言える。
アップルは公道試験に車両大量導入
アップルは、光を使ったセンシング技術で周辺環境を検知するLiDAR(ライダー)や車載カメラで車や歩行者、道路の走行できる部分などを検知するソフトウェアや、移動しながら位置の推定とマッピングを同時に実行する「SLAM」と呼ばれるソフトウェアの開発などを手掛けている。
現在、カリフォルニア州で公道試験に力を入れているほか、フォルクスワーゲンと契約を結び、自動運転技術を搭載した社員向けのオフィス間シャトルサービスを走らせる計画も進めているという。
【参考】アップルの自動運転に関する取り組みについては「米アップル、VWと自動運転分野で契約 自動運転ミニバン稼働へ|自動運転ラボ
グーグル、マイクロソフト、アマゾンも
グーグルは、自動運転車開発部門を分社化したウェイモが表に立ち、公道における走行実験や走行シミュレーションを繰り返し、事故予測の精度向上などに向けAI(人工知能)開発を進めている。また、無人タクシーの実現に向けて2018年3月に英ジャガー・ランドローバーと提携を結んでいる。
マイクロソフトは、仏ルノー・日産自動車連合とコネクテッドカーの開発で提携を結んでいるほか、中国のBaidu(百度)が進めている自動運転車向けソフトウェアプラットフォームなどをオープンソース化する取り組み「Project Apollo(アポロ)」において、インテリジェントクラウドの分野で提携している。
米ウォールストリート・ジャーナルが報じたところによると、アマゾンも自社物流事業の改革に向け自動運転技術について研究するチームを密かに組織しているという。詳細は明らかにされていないが、物流は同社にとって大きな課題であり事業の核であることから、情報の信ぴょう性は高そうだ。
紹介した4社はいずれもパソコンやインターネットにおけるソフトウェアやハードウェア、コンテンツの開発などを軸に成長を遂げた大企業だが、その視線は共通して自動運転を見据えており、従来の自動車メーカーとは異なる最先端のテクノロジースキルを持ったエンジニアたちが新たな商機を生み出そうとしているようだ。