FedExに「自動運転トラック」を供給できれば億万長者

TuSimpleやAuroraが物流大手にアプローチ

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出典:FedEx公式サイト

アメリカの物流企業のトップ1とトップ2といえば、UPSとFedEx(フェデックス)だ。この2社が将来使う自動運転トラックは、いったいどの企業が供給するのだろうか。供給した企業には莫大な売上が入ると予測できるため、気になるところだ。

いまのところ、UPSはTuSimple、FedExはAuroraとPACCARのタッグが有望だという見方もある。

■UPS:TuSimpleと実証中、株式の一部取得も

UPSは2019年5月から、大型トラック向けの自動運転技術を開発している中国のスタートアップ企業TuSimpleと、セミトレーラートラックの自動運転実証を実施している。

具体的には、アリゾナ州フェニックスとツーソン間において、UPSの貨物をTuSimpleが自動運転セミトレーラートラックのプロトタイプで輸送している。トラックは自動運転で走行するもののセーフティドライバーとエンジニアが同乗し、走行状況を常時監視しているという。

TuSimpleは自動運転レベル4(高度運転自動化)の技術開発に取り組んでおり、レベル4の技術をセミトレーラートラックに搭載するために必要な要素を、実証を通して把握したい考えのようだ。

ちなみにUPSは2019年8月にTuSimpleの株式の一部を取得したことも発表している。UPSは自動運転トラックを導入することでコスト削減を狙っており、TuSimpleの自動運転で輸送費を30%削減できると見込んでいるようだ。

▼TuSimple公式サイト
https://www.tusimple.com/

■FedEx:AuroraとPACCARとともに実証実験

一方のFedExは2021年9月、ダラスとヒューストン間の約800キロのルートにおいて、自動運転スタートアップの米Aurora Innovationの技術を搭載した大型トラックを走行させる実証実験を実施することを発表している。大型トラックは米PACCAR製だ。

実証走行では少数のトラックを定期的に使用し、技術の微調整や改良を加えていくようだ。トラックは自動運転で走行するものの補助員としてドライバーが同乗する。

Aurora InnovationとPACCARは2021年1月に戦略的パートナーシップを結んでおり、自動運転が可能なトラックの開発と商用化の計画に取り組んできた経緯がある。

▼Aurora Innovation公式サイト
https://aurora.tech/

■莫大な収益源を獲得するのはどの企業か

FedExやUPSに自動運転トラックを供給できれば、莫大な売上をあげることができることは確実だ。

自動運転トラックの開発企業にとっては、物流会社ではなく、大手小売業者も販売先として有望で、TuSimpleやAurora Innovationが今後どのようにこうした業者にアプローチしていくのか、注目していきたい。

【参考】関連記事としては「世界で自動運転トラックの開発・実証加速!「黒子」はNVIDIA」も参照。

記事監修:下山 哲平
(株式会社ストロボ代表取締役社長/自動運転ラボ発行人)

大手デジタルマーケティングエージェンシーのアイレップにて取締役CSO(Chief Solutions Officer)として、SEO・コンテンツマーケティング等の事業開発に従事。JV設立やM&Aによる新規事業開発をリードし、在任時、年商100億から700億規模への急拡大を果たす。2016年、大手企業におけるデジタルトランスフォーメーション支援すべく、株式会社ストロボを設立し、設立5年でグループ6社へと拡大。2018年5月、自動車産業×デジタルトランスフォーメーションの一手として、自動運転領域メディア「自動運転ラボ」を立ち上げ、業界最大級のメディアに成長させる。講演実績も多く、早くもあらゆる自動運転系の技術や企業の最新情報が最も集まる存在に。(登壇情報
【著書】
自動運転&MaaSビジネス参入ガイド
“未来予測”による研究開発テーマ創出の仕方(共著)



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