清水建設株式会社(本社:東京都中央区/取締役社長:井上和幸)は2021年8月31日までに、サービスロボットや自動運転車と建物設備を統合制御するシステム「Mobility-Core」を、同社の技術研究所に構築したことを発表した。
簡単に言えば、ロボットや自動運転車が建物・施設内で活躍できるよう、建物設備との連携を図るシステムのようだ。
例えば、ロボットが建物内で階をまたいだ移動ができるよう、エレベーターと連携するといった具合だ。建物に設置されたセンサーとモビリティやロボットが連携し、画像認識技術によって歩行者の検出やアラートの発信なども行うという。
報道発表では今後について、「自律型モビリティを活用した施設・街区内サービスの社会実装に向け、日常的に人が活動する実用環境下で、複数のモビリティが連携して提供する各種サービスの技術検証を進めていきます」としている。
■ティアフォー製の自動運転EVなどが施設内で活躍
報道発表によれば、技術研究所で構築されたシステムでは、エレベーターや自動ドア、サイネージ、監視カメラ、センサーなどと、自動運転EV(電気自動車)や自律走行型案内ロボット、自律走行型配送ロボットが接続されているという。
ちなみに自動運転EVはティアフォー製の「Milee(マイリー)」、自律走行型案内ロボットはNECネッツエスアイが提供する「YUNJI SAIL(ユンジ・セイル)」で、NECネッツエスアイは自律走行型配送ロボットとして「YUNJI DELI(ユンジ・デリ)」も提供している。
「建物設備」と「ロボットや自動運転車」の連携だけでなく、ロボットと自動運転車の連携も実現している。下記のプレスリリース内の動画では、自動運転車で移動した人間を、自律走行型案内ロボットと自律走行型配送ロボットが出迎える様子などが紹介されている。
▼建物設備・ロボット・自動運転車の統合制御システムを技術研究所に構築|清水建設
https://www.shimz.co.jp/company/about/news-release/2021/2021032.html
■自動運転車や自動配送ロボの利便性の最大化へ
自動運転車や自動配送ロボットはそれぞれ単独で開発が進められているが、実際にさまざまなフィールドや建物で導入される際には、インフラや建物設備との連携が非常に重要な視点だ。連携の仕組みによって、自動運転車や自動配送ロボットの利便性は最大化される。
清水建設の技術研究所は、こうした連携についての実証・検証で日本をリードする存在となっていきそうだ。
▼清水建設公式サイト
https://www.shimz.co.jp/
【参考】関連記事としては「自律走行+コミュニケーション能力…ロボットが病院で活躍!?大成建設などが実証研究」も参照。