トヨタが肩入れいている米ミシガンのスタートアップ企業がある。May Mobility(メイ・モビリティ)だ。報道発表によれば、同社はこのほど事業拡大期にあたる「シリーズB」において、トヨタ自動車などから5000万ドル(約55億円)の資金調達を実施したようだ。
自動運転シャトルの開発・運用がMay Mobilityの主な事業で、同社は既にアメリカ国内の3都市以上で20台以上の自動運転シャトルを運行させている。今後は展開都市を増やし、採算性も向上させる見込みで、自動運転シャトルの開発企業の一社として世界的な注目が一層高まりそうだ。
気になるのがトヨタがこの企業に対して大きな関心を寄せている点だ。
トヨタは自社で自動運転EV(電気自動車)「e-Palette」を開発しており、将来的に自動運転シャトルとして活用することも視野に入れている。現に2020年の東京オリンピックでは選手村で選手の移動に使われる予定だ。こうしたe-Paletteを独自開発しているのにも関わらずMay Mobilityに出資している理由は何かが気になるところだ。
■自動運転シャトル、開発企業は既に少なくない
自動運転シャトル・バスの開発企業としては、フランスのナビヤ(NAVYA)社なども有名だ。ソフトバンクの自動運転子会社であるSBドライブと連携し、日本でも実証実験でナビヤ製の自動運転シャトルをよく見掛ける。
関連するトピックスとしては、中東のカタールで自動運転シャトルの導入が国家プロジェクトとして進んでいることにも注目したい。さまざまな交通機関を一つのプラットフォームに統合する「MaaS」の要素として、今後自動運転シャトルは国・自治体レベルでも導入に力が入れられていくはずだ。
May Mobilityは今回の資金調達で完成車両を増やし、技術者やオペレーションスタッフの採用も強化するようだ。いずれMay Mobilityがアメリカを代表する自動運転シャトルバス企業となれるか、注目だ。
【参考】関連記事としては「既にこんなに!?バスの自動運転、日本国内で実証続々」も参照。