日立Astemo株式会社(本社:東京都千代田区/代表取締役プレジデント&CEO:ブリス・コッホ)は2021年5月31日までに、快適な自動運転車両空間を実現する高精度な軌道計画技術として、「Dynamics planning(ダイナミクス・プランニング)」のアルゴリズムを開発したことを発表した。
■ダイナミクス・プランニングのアルゴリズムとは?
今回開発したダイナミクス・プランニングは、自動運転や先進運転支援技術による走行において、熟練ドライバーのように車室内を快適に保って走行する軌道と速度を実現するためのアルゴリズムだ。
現在の一般的な先進運転支援技術は、車線に合わせた中央寄りの経路を一定速度で走行するため、左右の不快な揺れや加速度が発生することがあった。そのため、乗り物酔いなどを引き起こしやすいという弱点があったという。
ダイナミクス・プランニングには、カメラなどの外界認識センサーやMPU(Map Position Unit)よる地図情報、独自の車両制御技術によるシンプルな軌道計算が組み込まれ、課題の解決につながったようだ。
■トヨタ紡織による開発プロジェクトにも注目
自動運転による車酔いを防ぐ取り組みとしては、自動車部品メーカー大手のトヨタ紡織による車室空間の開発プロジェクトにも注目だ。
同社は2021年5月、自動運転車などの次世代車両の車室空間の開発を加速するため、ドライビングシミュレーターを新たに導入したことを発表している。
このドライブシミュレーターでは、ドライバーの生体情報をリアルタイムに計測することが可能で、自動運転のシミュレーション中に人が車酔いを起こしたかどうか、解析できるようだ。
その解析結果に基づき、どのような車室空間であれば人が自動運転による車酔いを起こしにくいか知見を増やしていきながら、製品開発につなげていくものとみられる。
【参考】関連記事としては「トヨタ紡織、「車室空間」で自動運転に積極的アプローチ」も参照。
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— 自動運転ラボ (@jidountenlab) May 27, 2021
■【まとめ】設立間もない日立Astemoに注目
日立Astemoは、日立オートモティブシステムズ、ケーヒン、ショーワ、日信工業の4社が経営統合して2021年1月に設立された。今後、同社がどのような技術を生み出し、どう発展させていくのか、注目だ。
【参考】関連記事としては「日立AstemoのOTAユニット、ホンダの自動運転レベル3搭載車で採用」も参照。