アイガモの代わりに自動運転ロボ!?有機農法に革命を起こす

田んぼの泥を巻き上げ、雑草を抑制





出典:ヤマガタデザイン社プレスリリース

田んぼにアイガモを放って雑草を食べてもらう「アイガモ農法」。有機農法の一つとして広く知られているが、自動運転で田んぼの中を泳ぎ回る「アイガモロボ」がこうした動物たちの代わりになってくれる時代が来るかもしれない。

山形県鶴岡市の街づくり会社であるヤマガタデザイン株式会社は2020年6月4日までに、グループ会社の「有機米デザイン株式会社」が5月末までに約6600万円の資金調達を完了したと発表した。「アイガモロボ」の開発をこれから本格化させるという。







■田んぼの泥を巻き上げ、水面を濁らせる

アイガモロボは、農薬を使わない有機米栽培の大きな課題である「除草」を効率化する農業用機械だ。水稲栽培において、有機農法は農薬などを使う栽培方法に比べて除草にかかる手間が非常に大きく、「有機農業をやめたくなるほど辛い」と言う人もいるほどだ。

そこでアイガモロボの出番だ。アイガモロボは、田植え後の田んぼの中を自律航行して、水中の泥を巻き上げて水面を濁らせる。水が濁れば光が遮られるので光合成ができにくくなり、雑草が生えにくくなる。

アイガモロボが導入されれば、除草剤を使わずに雑草が生えにくい状態をつくることができるため、除草にかかっていた労力を大幅に削減できる。2019年に行った実験では抑草効果が確認できているという。

■資金調達などでアイガモロボの開発本格化へ

有機米デザイン社はアイガモロボの開発を本格化させるため、投資家を引き受け先とした第三者割当増資を実施し、6616万円の資金調達を行った。

今年2月に東京都などによる「次世代イノベーション創出プロジェクト2020助成事業」でプロジェクトが採択されたことも、本格的な開発スタートの後押しとなっている。

有機米デザイン社は、農業者の所得向上と有機米栽培に取り組むハードルを下げることを目的に設立された会社で、日産自動車の元エンジニア2人が中心となって開発に取り組んできた。

2020年度は駆動耐久実験の実施や自動運転プログラムなどの開発に取り組むため、約70台体制で実験を行う計画だという。

■【まとめ】農作業をロボットが代わってくれる時代に

ロボット技術を活用し、農作業を一部自動化して効率を高める「スマート農業」。農林水産省もデータを活用した農業の実践を促進する「スマート農業実証プロジェクト」をスタートさせている。

高齢化に伴って農業の担い手が減少している今、農作業のスマート化への期待感はますます高まっている。アイガモロボもそのスマート化の推進につながりそうだ。

【参考】関連記事としては「「無人農業」「スマート農業」で自動運転技術はどう貢献?」も参照。

記事監修:下山 哲平
(株式会社ストロボ代表取締役社長/自動運転ラボ発行人)

大手デジタルマーケティングエージェンシーのアイレップにて取締役CSO(Chief Solutions Officer)として、SEO・コンテンツマーケティング等の事業開発に従事。同業上場企業とのJV設立や複数のM&Aによる新規事業開発をリードし、在任時、年商100億から700億規模への急拡大を果たす。2016年、大手企業におけるデジタルトランスフォーメーション支援すべく、株式会社ストロボを設立。設立3年で、グループ4社へと拡大し、デジタル系事業開発に従事している。2018年5月、自動車産業×デジタルトランスフォーメーションの一手として、自動運転領域最大級メディア「自動運転ラボ」立ち上げ、業界最大級のメディアに成長させる。講演実績も多く、早くもあらゆる自動運転系の技術・会社の最新情報が最も集まる存在に。
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