空飛ぶクルマ、7つのユースケース!日本政策投資銀が調査レポート

過疎地域での交通手段や救急医療…



出典:日本政策投資銀行・調査レポート/経済産業省ウェブサイト

「空飛ぶクルマ」への注目が世界的に高まる中、日本政策投資銀行と慶應義塾大学大学院の「空飛ぶクルマ研究ラボ」が2021年3月、「空飛ぶクルマのユースケースに関する調査」と題したレポートを共同で公表した。

空飛ぶクルマに考えられるユースケースは、欧米と日本では違ってくる。欧米では、空飛ぶクルマは「UAM(都市型航空交通)」の名称で呼ばれることも多いように、人口が密集した都市部の上空をバスやタクシーのように運航するモビリティとしての活用が最も注目を集めている。海外の多くの大都市では交通渋滞が深刻な社会問題となっているからだ。







一方、日本では都市部でのUAMとしての活用のほか、地方での二次交通や離島・過疎地における移動、救急救命医療や災害救助など、持続可能な社会を実現するための交通手段として実用化されることが期待されている。

この記事では今回発表された調査レポートを基に、日本における空飛ぶクルマのユースケースを紹介していこう。

出典:日本政策投資銀行・調査レポート
■日本におけるユースケース
二次交通(エアポートシャトル)

日本の地方空港は中核都市から離れていることが多く、シャトルバスで中核都市まで移動するのに時間がかかる。しかし、空飛ぶクルマを使えば最短距離で短時間で中核都市まで移動できる。つまり空飛ぶクルマは利用価値が高い「エアポートシャトル」として機能できるわけだ。

地方都市間交通(近距離地方都市間の移動)

地方都市間の移動では、道路インフラなどの面で不便なケースも少なくない。しかし、空飛ぶクルマであればこうしたインフラの不便さに左右されないことから、近距離の地方都市間の移動にも向いている。移動が容易になれば、地方経済の活性化にもつながる。

離島の交通手段

日本では「離島交通」に関する課題を抱えており、特に採算性の確保や事業継続性がハードルとなっている。例えば、東京都の離島交通としてはヘリコプターが導入されているが、多額の補助金なしでは成り立たない。

一方、導入コストやランニングコストがヘリより安い空飛ぶクルマが実用化されれば、採算性が確保された上で、離島住民の移動手段として導入することが可能になる。

過疎地域での交通手段

過疎地域では公共交通機関が脆弱になりつつある。財政難であれば、地上の交通インフラの維持・整備も難しくなってくる。そんな中、空飛ぶクルマは地上インフラへの大規模な公共投資を必要としないため、過疎地域において新たな交通手段として半永久的に活躍することが期待されている。

災害救助

災害救助においては、ヘリよりも小型で、救助や支援が必要な場所にピンポイントで着陸でき、機体購入費用やランニングコストが安価である空飛ぶクルマの活用が期待される。このユースケースは社会受容性も高いことから、早期に実用化されることが予想される。

救命救急医療

調査レポートでは救命救急医療における空飛ぶクルマの活用について、社会受容性の高さや医師からのニーズも強いことから、早期に実現することが見込まれるとしている。また救命救急医療について「日本では現在ドクターヘリが活用されているが、空飛ぶクルマはこれを補完する役割を担うことが考えられる」としている。

レジャー観光

観光地における遊覧飛行などがこのユースケースに当てはまる。ヘリよりも安価に低高度の景観を楽しむことができれば、多くの人に楽しまれるコンテンツとなる可能性がある。ただ課題もある。旅行代理店がトラベル商品としてパッケージ化するためには、高い運航率が実現される必要がある。

■【まとめ】空飛ぶクルマ社会実装に向けて

日本では空飛ぶクルマの社会実装までのロードマップが取りまとめられており、2023年からの段階的な商業利用の開始、2030年からの本格導入がタイムラインとして設定されている。こうした中、それぞれのユースケースの研究は商業利用や本格導入に確実に役に立つ。

レポートは下記リンクより全文閲覧できる。関心がある人はぜひ目を通してみてはいかがだろうか。

▼空飛ぶクルマのユースケースに関する調査報告書
https://www.dbj.jp//topics/investigate/2020/html/20210331_203188.html

記事監修:下山 哲平
(株式会社ストロボ代表取締役社長/自動運転ラボ発行人)

大手デジタルマーケティングエージェンシーのアイレップにて取締役CSO(Chief Solutions Officer)として、SEO・コンテンツマーケティング等の事業開発に従事。同業上場企業とのJV設立や複数のM&Aによる新規事業開発をリードし、在任時、年商100億から700億規模への急拡大を果たす。2016年、大手企業におけるデジタルトランスフォーメーション支援すべく、株式会社ストロボを設立。設立3年で、グループ4社へと拡大し、デジタル系事業開発に従事している。2018年5月、自動車産業×デジタルトランスフォーメーションの一手として、自動運転領域最大級メディア「自動運転ラボ」立ち上げ、業界最大級のメディアに成長させる。講演実績も多く、早くもあらゆる自動運転系の技術・会社の最新情報が最も集まる存在に。
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