テスラのロボタクシー、「規制回避狙い」でテキサス州を選んだ?

規制が厳しい加州では、1つの認可は取得

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テスラのイーロン・マスクCEO=出典:Flickr / Ennoti (Public Domain Mark 1.0)

2025年6月から自動運転タクシー(ロボタクシー)の運行をスタートする計画の米EV(電気自動車)大手テスラ。最初のロボタクシー実用化の都市について、テキサス州オースティンとすることを発表している。

さらに、カリフォルニア州でもロボタクシーを運行する予定のようだ。テスラはこのほど、同州の規制当局からチャーター輸送事業、いわゆる配車サービスの申請を認可された。カリフォルニア州では他にも認可を取得する必要がある。

テキサス州はカリフォルニア州よりはるかに自動運転の規制が緩いことで知られる。テスラの本拠地がテキサス州オースティンだということもあるとは思うが、まずは制限が少ないテキサス州からサービス展開を狙うという含みもありそうだ。

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■両州における関連規制の違い

テキサス州は、米国の中でも自動運転車の規制が緩いことで知られている。しかしロボタクシーを運行するにあたっては同州の営業許可を取得する必要があるが、今年2月時点ではテスラはまだ申請を行っていなかったとの報道がある。

そしてこのたびテスラは、カリフォルニア州内で乗車サービスを運営する許可を得た。この認可は、同州の公共事業委員会(CPUC)により発行された。これにより、事前に手配する方式でテスラ所有の車両を使い、同社の従業員を輸送することが可能になった。つまり、配車サービスができるようになるというわけだ。

これは、テスラがカリフォルニア州において取得しなければいけないさまざまな承認のうちの1つとなる。なおテスラがCPUCにこの申請を行ったのは2025年3月初め頃だとされている。1カ月以内で認可を取得できたことになる。

カリフォルニア州でドライバーレス有料ロボタクシーを運行させるためには、CPUCと道路管理局(DMV)の許可を取得する必要がある。DMVが公道走行許可を出し、CPUCが事業化・商用化に向けた許可を出すようなイメージで、無人サービスの実現には両者からの許可が必須となる。

テスラはカリフォルニア州において、すでにDMVからセーフティドライバー有りでの自動運転車のテスト走行許可を取得済みだ。しかしDMVが公表している認可済みの自動運転車メーカーの2024年のテスト走行レポートにはテスラの名前はない。

さらに今後ドライバーレスのロボタクシーを運行するためには、DMVでさらなる許可も必要だが、テスラはまだドライバーレスの許可リストには入っていない。

■Waymoは4年前からカリフォルニア州で・・・

出典:Waymo公式サイト

各所への申請が滞っているように見えるテスラに対し、2018年に世界で初めてロボタクシーを商用化したGoogle系の自動運転開発企業Waymo(ウェイモ)は、2021年からカリフォルニア州サンフランシスコでロボタクシーサービスを行っている。

カリフォルニア州は自動運転車に対する規制が特に厳しいと言われている。DMVの認可基準に達することができなく、自動運転車の事業開始が遅れている企業もある。その中で、Waymoが数年にわたりロボタクシーサービスを継続できているのは、さすが自動運転のパイオニアだと言えよう。

■今度こそ計画通り6月に始動できるのか

米国のある有識者は「テスラが本当に必要なのは、カリフォルニア州DMVに対し自社の技術が安全であると納得させることだ」と語っている。

テスラがカリフォルニア州でのロボタクシー実用化に向けてまずしなければいけないのは、DMVのドライバーレスの自動運転のテスト許可だが、まだ申請も行っていないようだ。そしてテキサス州でも、テスト走行している様子がないという。

同社は本当に6月からオースティンでロボタクシーを運行することができるのだろうか。これまで自動運転の実用化を何度も延期してきたテスラだが、残り2カ月の動きに注目したい。

記事監修:下山 哲平
(株式会社ストロボ代表取締役社長/自動運転ラボ発行人)

大手デジタルマーケティングエージェンシーのアイレップにて取締役CSO(Chief Solutions Officer)として、SEO・コンテンツマーケティング等の事業開発に従事。JV設立やM&Aによる新規事業開発をリードし、在任時、年商100億から700億規模への急拡大を果たす。2016年、大手企業におけるデジタルトランスフォーメーション支援すべく、株式会社ストロボを設立し、設立5年でグループ6社へと拡大。2018年5月、自動車産業×デジタルトランスフォーメーションの一手として、自動運転領域メディア「自動運転ラボ」を立ち上げ、業界最大級のメディアに成長させる。講演実績も多く、早くもあらゆる自動運転系の技術や企業の最新情報が最も集まる存在に。(登壇情報
【著書】
自動運転&MaaSビジネス参入ガイド
“未来予測”による研究開発テーマ創出の仕方(共著)



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