日本の警察庁、Googleの自動運転タクシーを視察か 交通ルール検討へ訪米

11〜12月頃の「海外視察」計画が判明

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警察庁が米国を訪問し、Googleの自動運転タクシー(ロボットタクシー)を視察する可能性が出てきた。8月に開催された有識者会議の配付資料がこのほど公開され、その資料から、今年11〜12月頃にアメリカへ海外視察に訪れる予定があることが判明した。

訪問先はカリフォルニア州やアリゾナ州のようだ。現在、米国でこれらの州でロボットタクシーを運行しているのはGoogle系の自動運転開発企業Waymo(ウェイモ)のみだ。警察庁の視察のターゲットはWaymoの可能性が高い。

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■警察庁の海外調査案の概要

警察庁が主導する「令和6年度 第1回 自動運転の拡大に向けた調査検討委員会」が開催され、今年度の調査研究の進め方及び議論にあたって課題となり得る道路交通上の場面や、海外調査研究案についての討議が行われた。

海外視察については「海外調査研究について(案)」として、2024年11〜12月頃の実施を予定しているようだ。資料には、訪問先・視察先は「当局(カリフォルニア州政府、アリゾナ州政府)及びロボットタクシーの開発・運用を行う事業者」との記載がある。

▼令和6年度自動運転の拡大に向けた調査検討委員会|警察庁
https://www.npa.go.jp/bureau/traffic/council/index.html#jidou
▼資料3:海外調査研究について(案)|警察庁
https://www.npa.go.jp/bureau/traffic/council/r6_1_05_shiryo3.pdf

出典:警察庁

Waymoは世界初となる自動運転車を活用した有料の商用タクシーサービスを、アリゾナ州フェニックスで2018年に開始した。その後、2021年にカリフォルニア州サンフランシスコにも拡大し、現在はロサンゼルスを含めた3カ所でサービスを展開している。

つまり、「ロボットタクシーの開発・運用を行う事業者」とはWaymoにほかならないのではないだろうか。早ければ来月11月にも、日本から視察団が行くことになるのかもしれない。

■意見交換の相手はGoogle系Waymo?

海外視察の目的は、「我が国での自動運転車の社会実装の更なる進展を見据え、交通ルールの今後の在り方の検討に資するよう、我が国に先んじてロボットタクシーが社会実装されている米国の地域における、ロボットタクシーを含めた全ての交通参加者の交通の安全と円滑を確保する方策について、法制度(交通ルール)の検討・整備状況、事業者の対応等の観点から調査を行う」となっている。

また視察の内容については、当局との意見交換として「自動運転車の社会実装のための交通ルールや交通規制上の対応等」や「自動運転車に係る許認可の審査の在り方」についてのトピックが挙げられている。

そのほか、社会実装されたロボットタクシーの視察、開発・運用事業者と「交通ルールに適合した運行のための対応」について意見交換されるようだ。つまり、この相手がWaymoになるかもしれないというわけだ。

■有識者会議の構成員・オブザーバーは?

2024年度の自動運転の拡大に向けた調査検討委員会は、2026年初頭に都内での走行を目指すとされているロボットタクシーの実装を第一に念頭に置いて実施されたものになる。現在の技術水準において、開発者側が自動運転車の実装にあたり課題となり得ると認識している交通ルールに関し、自動運転車を含む全ての交通参加者の交通の安全と円滑を確保するという観点から、課題の有無・対応方法について論点整理を実施している。

構成員は、東京工業大学や早稲田大学、法政大学・大学院、慶應義塾大学大学院、東京大学モビリティ・イノベーション連携研究機構、神戸大学大学院、東京都立大学の名誉教授や教授だ。

また日本自動車工業会や自動車技術総合機構交通安全環境研究所、ITS Japanの幹部や自動車ジャーナリストも参加している。警察庁からは、交通局交通企画課長や長官官房参事官などが参加している組織となる。

またオブザーバーとしてデジタル庁や内閣府、総務省、法務省、外務省、経済産業省、国土交通省からの参加もある。

▼構成員名簿|令和6年度 自動運転の拡大に向けた調査検討委員会
https://www.npa.go.jp/bureau/traffic/council/r6_1_01_meibo.pdf

出典:警察庁

■日本では2026年にロボタクシー実用化の予定

この有識者会議の議論の対象となっている「2026年初頭に都内での走行を目指すとされているロボットタクシー」とは、ホンダが米GM、GM傘下のCruiseと共同で行っている取り組みのことを指すと思われる。

ホンダは2023年10月にこの件についての発表を行っている。ホンダ、GM、Cruiseで共同開発した自動運転専用車両「クルーズ・オリジン」が指定場所まで迎えに来るところから、目的地に到達するまで全て自動運転で行われ、配車から決済まで全てスマートフォンのアプリで完結するタクシー配車サービスとなる予定だ。

Cruiseもかつて米国でロボットタクシーを商用展開しており、WaymoとCruiseはライバル関係にあった。しかしCruiseは2023年10月に人身事故を起こしたことなどが引き金となり、運行を全面停止している。2024年秋後半から自動運転車のテスト運行を再開することになっているが、かつてのような商用サービスがいつ再開されるのかは不透明な状況だ。

そのCruiseの日本におけるロボットタクシー開始のための調査に、恐らく米国でWaymoの視察が行われるであろうと予測できることは、少し皮肉ちっくな話と言えそうだ。警察庁の動きに、引き続き注目だ。

記事監修:下山 哲平
(株式会社ストロボ代表取締役社長/自動運転ラボ発行人)

大手デジタルマーケティングエージェンシーのアイレップにて取締役CSO(Chief Solutions Officer)として、SEO・コンテンツマーケティング等の事業開発に従事。JV設立やM&Aによる新規事業開発をリードし、在任時、年商100億から700億規模への急拡大を果たす。2016年、大手企業におけるデジタルトランスフォーメーション支援すべく、株式会社ストロボを設立し、設立5年でグループ6社へと拡大。2018年5月、自動車産業×デジタルトランスフォーメーションの一手として、自動運転領域メディア「自動運転ラボ」を立ち上げ、業界最大級のメディアに成長させる。講演実績も多く、早くもあらゆる自動運転系の技術や企業の最新情報が最も集まる存在に。(登壇情報
【著書】
自動運転&MaaSビジネス参入ガイド
“未来予測”による研究開発テーマ創出の仕方(共著)



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