米加州の無人自動運転タクシー、違反の「免除」状態続く 車内無人で切符切れず

アリゾナ州やテキサス州では法改正で対応済み



カリフォルニア州で運行していたGM Cruise自動運転タクシー(現在はサービスを停止中)=出典:Cruiseプレスリリース

米カリフォルニア州において、車内無人(ドライバーレス)の自動運転タクシーが交通違反をした場合でも、警察が違反切符を切ることができない状況となっており、波紋が広がっている。

現在の規則では、車両の中に運転手がいないと切符を切れないからだ。つまり自動運転タクシーの場合、実質的に交通違反の切符が免除されている状況となっている。現地メディアが報じた。







【自動運転ラボの視点】
ちなみに自動運転車は、技術力や認知・判断アルゴリズムの向上・進化などにより、将来的には交通違反を全くしなくなることが目指されている。そういう意味では、自動運転車が違反をする現状はあくまで過渡期の現象という見方もできる視点も、提供しておきたい。
■警察署長の内部メモには…

NBCベイエリアの報道によれば、サンフランシスコ警察署長であるビル・スコット氏の内部メモには、以下の次のことが書かれていたという。

  • No citation for a moving violation can be issued if the [autonomous vehicle] is being operated in a driverless mode.
  • 日本語訳:(自律走行車)がドライバーレスモードで運転されている場合、交通違反の取り締まりはできない

つまり、警察官がスピード違反や信号無視、危険運転をしている自動運転車を発見しても、違反切符を切ることができないということだ。

スコット署長は「Technology evolves rapidly and, at times, faster than legislation or regulations can adapt to the changes」(テクノロジーは急速に進化し、時には法律や規制がその変化に対応するよりも速い)と話しているという。

■テキサス州とアリゾナ州では対応済み

カリフォルニア州においてはこうした状況だが、実はテキサス州とアリゾナ州ではすでに自動運転タクシーの違反に関する法律が、交通法を改正する形で成立している。

両州ともに、自動運転タクシーが交通違反をした場合、運行する企業が実質的に「運転手」とみなされ、責任を負う形となる。

ベイエリア自転車法の創設者でありマイケル・スティーブンソン弁護士は、現在のカリフォルニア州の状況において「自動運転タクシーは州の現在の法的枠組みに正確に適合していない」と指摘。その上で、進化する技術を適切に管理するため、新しい法律が必要だと述べた。

その上で「ドライバーレス・カーに関しては、我々は西部開拓時代にいるようなものだ」とも語っている。

■遅かれ早かれルール制定へ

現時点ではカリフォルニア州ではドライバーレスの自動運転タクシーに違反切符を切ることはできないが、これはあくまで過渡期の一時的な状況だ。アリゾナ州やテキサス州と同様、運行企業に責任を負わせる法律が遅かれ早かれ制定されるものと考えられる。

いずれにしても今回のこうした先例は、日本や他の国をはじめ、これからドライバーレスの自動運転タクシーを解禁する国・知識にとって、大いに参考にすべきものと言えそうだ。

【参考】関連記事としては「自動運転化でなくなる交通違反は?「泥はね運転」は?」も参照。

記事監修:下山 哲平
(株式会社ストロボ代表取締役社長/自動運転ラボ発行人)

大手デジタルマーケティングエージェンシーのアイレップにて取締役CSO(Chief Solutions Officer)として、SEO・コンテンツマーケティング等の事業開発に従事。JV設立やM&Aによる新規事業開発をリードし、在任時、年商100億から700億規模への急拡大を果たす。2016年、大手企業におけるデジタルトランスフォーメーション支援すべく、株式会社ストロボを設立し、設立5年でグループ6社へと拡大。2018年5月、自動車産業×デジタルトランスフォーメーションの一手として、自動運転領域メディア「自動運転ラボ」を立ち上げ、業界最大級のメディアに成長させる。講演実績も多く、早くもあらゆる自動運転系の技術や企業の最新情報が最も集まる存在に。(登壇情報
【著書】
自動運転&MaaSビジネス参入ガイド
“未来予測”による研究開発テーマ創出の仕方(共著)









関連記事