インテル、自動運転技術で再び巨額売上確定へ 中国FAWと提携

まず2024年末までにSuperVision搭載予定

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出典:Intelプレスリリース

自動運転技術を開発する米インテル傘下のイスラエル企業Mobileye(モービルアイ)は2023年9月28日までに、中国の自動車メーカー最大手のFAWグループ(第一汽車集団)と、自動運転における戦略的提携を締結したことを発表した。

両社は今後、Mobileyeの最新ADAS(先進運転支援システム)「Mobileye SuperVision」や自動運転システム「Mobileye Chauffeur」をベースとした新製品を共同開発していくという。多数の大手自動車メーカーに採用されているMobileyeだが、今度は傘下に10社を越える子会社を抱える中国最大の自動車メーカー・FAWグループからの巨額受注も獲得することになるようだ。

■SuperVision搭載の車種が2024年末までに

今回の提携では、まずは2024年末までにFAWグループの高級車ブランド「紅旗」の主力車種にMobileye SuperVisionを搭載する。その後、Mobileye Chauffeurのアイズオフハンズオフ技術を同グループの「E701」モデルに搭載する。これは、2025年までに行う計画だ。それらに続き、FAWグループの他のブランドでもMobileyeの技術を取り入れていく予定だという。

Mobileyeのアムノン・シャシュアCEOは、「FAWグループがこのプロジェクトにMobileyeを選択したことは、協力関係の大きさを裏付けるものだ」と自信を示している。また「当社の技術を世界中の1億5,000万台以上の車両に搭載した豊富な経験により、自動運転が何百万人もの人々の交通の安全性や利便性、アクセシビリティを向上させる未来を確信している」と語った。

また、FAWグループの邱現東取締役会長は「それぞれの業界のリーダーであるFAWグループとMobileyeの提携の目標は、中国市場で最先端のADASおよび自動運転車ソリューションを提供すること」だとしている。

■Mobileyeが積み重ねてきた採用実績

Mobileyeの技術は、多くの自動車メーカーから採用されている。

中国の自動車メーカー吉利汽車(Geely)とその傘下のボルボの共同出資により設立された「Lynk & Co」は、プレミアムEV(電気自動車)「ZeroConcept」にMobileye SuperVisionを搭載することを2020年9月に発表した。

2021年5月には、トヨタの複数のプラットフォーム向けのADAS開発ベンダーとして、Mobileyeが選ばれている。2023年5月には、Mobileyeと独ポルシェが戦略的提携を行ったことが明かされた。ポルシェのプレミアムADASソリューションの量産のため、Mobileye SuperVisionの機能を取り入れるという。

最近ではスウェーデンの高級EVメーカーのPolestar(ポールスター)に、Mobileye Chauffeurを提供することが2023年8月に発表された。

■世界シェア拡大は確実

今回FAWグループと強力なタッグを組んだことにより、Mobileyeの技術の世界シェア拡大が確実となる。技術力を武器にした同社の快進撃は、まだまだ続きそうだ。

記事監修:下山 哲平
(株式会社ストロボ代表取締役社長/自動運転ラボ発行人)

大手デジタルマーケティングエージェンシーのアイレップにて取締役CSO(Chief Solutions Officer)として、SEO・コンテンツマーケティング等の事業開発に従事。JV設立やM&Aによる新規事業開発をリードし、在任時、年商100億から700億規模への急拡大を果たす。2016年、大手企業におけるデジタルトランスフォーメーション支援すべく、株式会社ストロボを設立し、設立5年でグループ6社へと拡大。2018年5月、自動車産業×デジタルトランスフォーメーションの一手として、自動運転領域メディア「自動運転ラボ」を立ち上げ、業界最大級のメディアに成長させる。講演実績も多く、早くもあらゆる自動運転系の技術や企業の最新情報が最も集まる存在に。(登壇情報
【著書】
自動運転&MaaSビジネス参入ガイド
“未来予測”による研究開発テーマ創出の仕方(共著)



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