空飛ぶクルマ、沖縄でアジア初「海上の2地点間」飛行に成功

沖縄県伊平屋島、往復約2キロのルート



出典:建設技術研究所プレスリリース

沖縄県の離島で「空飛ぶクルマ」の試験飛行が成功した。沖縄県初かつ離島をフィールドとした取り組みとしては、国内初の取り組みであったという。さらに「海上の2地点間飛行」はアジア初となった。

飛行試験を実施したのは、建設技術研究所、日本空港コンサルタンツ、空港施設、AirXの4者で、試験飛行は2023年6月7日に沖縄県伊平屋島で行われた。


■ルートは海上2地点間の往復約2キロ

空飛ぶクルマは、空での移動を担う新モビリティだ。日本国内では2025年に開催予定の大阪・関西万博を1つのマイルストーンとして、官民一体となり空飛ぶクルマの実用化に向けた取り組みが進んでいる。

今回の飛行試験は、空飛ぶクルマが伊平屋島の米崎キャンプ場から海を隔てた野甫港までの海上2地点間を運航するというものであった。その結果、往復約2キロのルートでスムーズな飛行を実現できたという。

これは冒頭触れた通り、沖縄で初の飛行試験となり、離島をフィールドとしたものとしては国内初の取り組みとなった。さらに、海上の2地点間飛行はアジア初となる快挙となっている。

飛行試験の会場では関係者のほか、地元の住民や小学生などが見学に訪れ、状況を見届けたようだ。


出典:建設技術研究所プレスリリース
■EHang製の空飛ぶクルマを使用

使用されたのは、中国の空飛ぶクルマメーカーであるEHangのeVTOL(電動垂直離着陸機)「EH216」だ。電力で駆動し、航続可能距離は35キロとなっている。

建設コンサルタントの建設技術研究所が、空飛ぶクルマのビジネスモデル検討や飛行に際しての騒音と風速の計測・評価、社会的効果の試算を行った。空港総合コンサルタントである日本空港コンサルタンツは、プロジェクト全体の取りまとめと空域設計、離着陸場の仕様検討・設計を担当した。

また、空港に必要な施設や機能の建設・運営管理を行う空港施設は、離着陸場の運営・運用に関する検討などを、エアモビリティ関連事業を手掛けるAirXは空飛ぶクルマの機材提供と運航および安全のオペレーション、予約・チェックインシステムの検討を担った。

今回の飛行試験の成功を受け、4者は今後も空飛ぶクルマの社会実装に貢献していくとしている。今後の進捗にも注目していきたい。


【参考】関連記事としては「空飛ぶクルマとは?(2023年最新版)」も参照。

記事監修:下山 哲平
(株式会社ストロボ代表取締役社長/自動運転ラボ発行人)

大手デジタルマーケティングエージェンシーのアイレップにて取締役CSO(Chief Solutions Officer)として、SEO・コンテンツマーケティング等の事業開発に従事。JV設立やM&Aによる新規事業開発をリードし、在任時、年商100億から700億規模への急拡大を果たす。2016年、大手企業におけるデジタルトランスフォーメーション支援すべく、株式会社ストロボを設立し、設立5年でグループ6社へと拡大。2018年5月、自動車産業×デジタルトランスフォーメーションの一手として、自動運転領域メディア「自動運転ラボ」を立ち上げ、業界最大級のメディアに成長させる。講演実績も多く、早くもあらゆる自動運転系の技術や企業の最新情報が最も集まる存在に。(登壇情報
【著書】
自動運転&MaaSビジネス参入ガイド
“未来予測”による研究開発テーマ創出の仕方(共著)




関連記事