ある日本の自動運転関連銘柄の株価が急騰した。その企業とは株式会社ヴィッツで、5月24日の株価は前日比8.18%高の1,150円となった。
同社などが取り組む仮想空間ソリューション「WARXSS」が、経済産業省と国土交通省が主導する「自動運転レベル4等先進モビリティサービス研究開発・社会実装プロジェクト」(RoAD to the L4)における取り組みで活用されたことが好感された格好だ。
■RoAD to the L4における取り組みで活用
WARXSSは、ヴィッツと三菱電機系商社であるRYODENが共同で開発・販売を行っている仮想空間ソリューションだ。WARXSSの公式サイトでは「自動運転による移動サービス(MaaS)を推進する仮想空間シミュレーションツール」と紹介されている。
この仮想空間ソリューションについてプレスリリースでは「『RoADto the L4』の活動に参画するJARIによって、自動運転移動サービスの安全性検証や社会受容性の醸成に活用されています」と説明されている。JARIとは「日本自動車研究所」のことだ。
その上でヴィッツはWARXSSを活用することで、「自動運転やMaaSにおけるモビリティの様々な課題解決に貢献してまいります」としている。
日本は自動運転レベル4が今年4月に解禁されたことから、こうした自動運転技術の進化に貢献するソリューションに対する需要はさらに高まっていきそうだ。
■自動運転銘柄の株価高騰は今後も頻発!?
自動運転に直接的に関係する株式銘柄は、日本国内ではまだ決して多くはない。
自動車メーカーでは、自動運転レベル3の市販車を発売済のホンダや、自動運転シャトル「e-Palette」を開発しているトヨタ、そのほかの業種では、人工知覚などに強みがあるKudan、そしてヴィッツなどが関連銘柄群を構築している。
自動運転の実用化や商用展開が進むにつれ、こうした銘柄への評価が高まる可能性は十分にある。今回のヴィッツの例のように、自動運転に関するポジティブな発表があった後、株価が急騰するケースは今後も増えていきそうだ。
【参考】関連記事としては「自動運転、米国株・日本株の銘柄一覧(2023年最新版)」も参照。
大手デジタルマーケティングエージェンシーのアイレップにて取締役CSO(Chief Solutions Officer)として、SEO・コンテンツマーケティング等の事業開発に従事。JV設立やM&Aによる新規事業開発をリードし、在任時、年商100億から700億規模への急拡大を果たす。2016年、大手企業におけるデジタルトランスフォーメーション支援すべく、株式会社ストロボを設立し、設立5年でグループ6社へと拡大。2018年5月、自動車産業×デジタルトランスフォーメーションの一手として、自動運転領域メディア「自動運転ラボ」を立ち上げ、業界最大級のメディアに成長させる。講演実績も多く、早くもあらゆる自動運転系の技術や企業の最新情報が最も集まる存在に。(登壇情報)
【著書】
・自動運転&MaaSビジネス参入ガイド
・“未来予測”による研究開発テーマ創出の仕方(共著)