トヨタ、MaaSを海外展開へ!最高年収1,400万円超で求人公開

「my route」の輸出はあるのか!?



トヨタの佐藤恒治社長=出典:トヨタプレスリリース

トヨタ自動車は、海外向けMaaSビジネス関連の求人を公開している。募集しているのは、欧米や東南アジアでMaaSビジネスの企画・協業推進を担う人材だ。予定年収は最大で1,400万円超となっている。この求人内容により、トヨタがMaaSの海外展開を目指していることが分かる。

そもそも日本を代表する大企業が最近注力する「MaaS」とは、一般的にどのようなサービスのことを指すのだろうか。MaaSについてはまだあまり知られていない概念でもあるため、初歩的なことから振り返ろう。


【参考】関連記事としては「MaaSとは?(2023年最新版)」も参照。

■そもそも「MaaS」とはどんな概念?

MaaS(Mobility as a Service:マース)は、国土交通省の公式サイトでは以下のように説明されている。

「地域住民や旅行者一人一人のトリップ単位での移動ニーズに対応して、複数の公共交通やそれ以外の移動サービスを最適に組み合わせて検索・予約・決済等を一括で行うサービスであり、観光や医療等の目的地における交通以外のサービス等との連携により、移動の利便性向上や地域の課題解決にも資する重要な手段となるもの」(https://www.mlit.go.jp/sogoseisaku/japanmaas/promotion/

従来は、自分で電車やバス、飛行機、新幹線などの移動手段の中から自分で情報を調べて選択し組み合わせるか、パッケージツアーのようにあらかじめ決まったものを使う方法しかなかった。


しかし、それらの処理を自動で行うことができるサービスであるMaaSが登場・普及すれば、より便利でコストを抑えた移動を行うことができるようなる。

トヨタはすでに独自のMaaSサービス「my route(マイルート)」を展開し、導入エリアを拡大しつつある。日本にはすでに自治体や鉄道各社などによる複数のMaaSサービス・アプリがリリースされているが、my routeは展開スピードが速く、日本を代表するMaaSサービスだと言える。

■トヨタのMaaS人材の内容は?

そんなMaaSに関しては今回トヨタが募集しているのは、海外向けMaaSビジネス企画・協業推進という職種で、欧米と東南アジアにおいてのコネクティッド技術やモビリティサービス・プラットフォーム(MSPF)を活用したMaaSビジネス、バリューチェーンビジネス・サービスの企画、立案、プロジェクト推進を担う人材だ。

また、トヨタとともに新しいMaaSビジネスを担うパートナーシップの構築や協業推進、これらのビジネス戦略や事業計画の策定・実現、フォローを担当するようだ。


応募に際し学歴は不問だが、プロジェクトを自ら立ち上げ、企画・推進をリードし事業化に結びつけた経験や、社内外関係者を含むプロジェクトチームをけん引した経験、ビジネスレベルの英語力が必須となる。

勤務地は名古屋オフィスだが、豊田本社や東京本社、静岡県の東富士研究所、各工場などのほか、海外の事業所・関連施設への転勤の可能性もあるという。

■my routeの海外展開もあり得る?

海外向けのMaaSビジネス担当者を募集しているということは、トヨタがmy routeを海外展開する可能性も出てきた。あるいは別のサービスを海外でリリースすることになるのだろうか。いずれにしろ今後の展開から目が離せない。

【参考】関連記事としては「トヨタのMaaS事業まとめ(2023年最新版)」も参照。

記事監修:下山 哲平
(株式会社ストロボ代表取締役社長/自動運転ラボ発行人)

大手デジタルマーケティングエージェンシーのアイレップにて取締役CSO(Chief Solutions Officer)として、SEO・コンテンツマーケティング等の事業開発に従事。JV設立やM&Aによる新規事業開発をリードし、在任時、年商100億から700億規模への急拡大を果たす。2016年、大手企業におけるデジタルトランスフォーメーション支援すべく、株式会社ストロボを設立し、設立5年でグループ6社へと拡大。2018年5月、自動車産業×デジタルトランスフォーメーションの一手として、自動運転領域メディア「自動運転ラボ」を立ち上げ、業界最大級のメディアに成長させる。講演実績も多く、早くもあらゆる自動運転系の技術や企業の最新情報が最も集まる存在に。(登壇情報
【著書】
自動運転&MaaSビジネス参入ガイド
“未来予測”による研究開発テーマ創出の仕方(共著)




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