日本人は運転が嫌い?完全自動運転車「利用したい」7割

500人アンケート調査を読み解く



出典:Turingプレスリリース

完全自動運転車が実現した場合、日本人の約7割が利用したいと思っているようだ。このほど実施された「自動運転に関する調査」によって明らかになった。

調査を行ったのは、完全自動運転車両の開発を行う国内スタートアップのTuring株式会社(本社:千葉県柏市/代表取締役:山本一成)。調査対象は全国の20代以上の運転免許を持っている人500人で、ウェブを通じてアンケートを行ったという。


■約7割が「実現したら利用したい」

「完全自動運転車が実現したら利用したいと思いますか?」という質問に対し、「とても利用したい」「やや利用したい」という回答が合わせて約7割だった。その理由としては、「運転に自信がないので遠出をしてみたい」「高齢になった時の移動手段として役に立ちそうだと思ったから」などがあった。

また「2023年4月に改正道路交通法が施行され、自動運転のレベル4が解禁されることを知っていますか?」という質問には、28%が「知っている」と回答している。

【参考】関連記事としては「自動運転レベルとは?(2023年最新版)」も参照。

「自動運転が普及してほしいもの」では、「自家用車」60.8%、「路線バス」43.6%、「高速バス」30.8%、「タクシー」28.8%の順で回答が多かった。なお「自動運転に期待すること」という質問に対する回答では、「交通事故の減少」が72.4%で最多だった。


■反面、自動運転への不安も

「自動運転で不安に思うこと」では、「自度運転システムの誤作動」が78.0%で最多であった。なお、この質問と「自動運転の普及において気になること」という質問の両方において、「交通事故の際の責任の所在」という回答が上位に来ている。

出典:Turingプレスリリース

自動運転車の普及においては、「法令の整備」や「販売価格」が気になるという回答もあった。ちなみに自動運転車が事故を起こした際、誰が責任を負うことになるのかという点は、現在各国の政府レベルで議論が進んでいる状況にある。

■「テスラ超え」を目指すTuring

Turingは「We Overtake Tesla」(Teslaを超える)を掲げ、2021年8月に設立されたスタートアップだ。

2025年に自社オリジナルの自動運転EV(電気自動車)を100台、2030年には完全自動運転EV1万台の製造・販売を目指している。2023年3月には、完全自動運転EVをイメージしたコンセプトカーの映像を公開した。


なお今回の調査では、約6割が「ハンドルも存在しない完全自動運転車は実現できる」と回答しており、自動運転車がユーザーにとっても現実的になってきていることを感じさせる。また約4割が「従来の車と価格差がなければ自動運転機能付きの車を選ぶ」と回答している。

この結果は、Turingにとっても心強い後押しになるのではないだろうか。完全自動運転車の開発という大きな目標に向け、資金調達などにより開発を加速させている同社の今後に期待したい。

【参考】関連記事としては「完全自動運転EV、2030年に1万台製造!日本のTURINGが宣言」も参照。

記事監修:下山 哲平
(株式会社ストロボ代表取締役社長/自動運転ラボ発行人)

大手デジタルマーケティングエージェンシーのアイレップにて取締役CSO(Chief Solutions Officer)として、SEO・コンテンツマーケティング等の事業開発に従事。JV設立やM&Aによる新規事業開発をリードし、在任時、年商100億から700億規模への急拡大を果たす。2016年、大手企業におけるデジタルトランスフォーメーション支援すべく、株式会社ストロボを設立し、設立5年でグループ6社へと拡大。2018年5月、自動車産業×デジタルトランスフォーメーションの一手として、自動運転領域メディア「自動運転ラボ」を立ち上げ、業界最大級のメディアに成長させる。講演実績も多く、早くもあらゆる自動運転系の技術や企業の最新情報が最も集まる存在に。(登壇情報
【著書】
自動運転&MaaSビジネス参入ガイド
“未来予測”による研究開発テーマ創出の仕方(共著)




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