化粧品大手ポーラ・オルビスグループのオルビス株式会社(本社:東京都品川区/代表取締役社長:小林琢磨)は、同社流通センターに最新のAMR(自律走行搬送ロボット)を導入し、2023年2月20日から本格稼働させた。
重量計を搭載した最新のAMRを16台導入することで、省人化と効率化を達成し、倉庫内出荷作業の生産性向上を目指すという。
■AMRを導入した新出荷ラインとは?
オルビスは小型AGV300台を導入した通販向け出荷ラインを2020年に構築するなど、最新テクノロジーを積極的に活用し、物流システムの自動化や省人化に取り組んでいる。同社はこのほどオリジナルの重量計付きAMRを採用し、独自の仕組みを構築した。
オルビスの直営店舗・BtoB卸し先向け出荷作業では、約500品目の中から、1オーダーあたり平均して約20品目・約100ピースを毎日出荷している。これまでは4拠点分のオーダーが割り当てられた重量計付きカートを、作業員が1台ずつ手で押して移動しながら当該商品が保管されている棚に移動し、ピッキングを行っていたという。
今回導入したAMRは、1台につき4拠点分の出荷データを受信したあとで、最適なルートで棚間を走行し、複数の商品棚を順番に移動することができる。全てのオーダー商品を揃えたら、発送ステーションまで商品の入ったケースを自動で運ぶ。さらに、AMRに重量計が搭載されているため、ピッキングと同時に重さによる検品を即座に実施することを可能にした。なお、棚から商品をピックしてケースに入れる作業は人が行う。
これだけではなく、人とAMRの動きを効率よく連携させるため、商品の保管している棚のスペースをゾーン化し、ゾーンごとにピッキングの作業者を配置したり、作業している人の腕に次にピックすべき商品と棚の位置情報が表示されるウエアラブル端末を装着させたりと工夫を重ねた。
これにより、旧出荷システムに比べ、同じ出荷能力に対して人員は25%削減、売上高に対する出荷作業費比率は約10%削減できる見込みとなったという。
■業界において注目を集めそう
今回導入されたAMRは、流通サービスと椿本マシナリー、製造元のフォワードエックスが共同で開発した。
人手不足や過重労働が問題視されつつある日本。倉庫作業においても、省人・効率化はさらに今後求められていく。今回のようなオルビスの取り組みは、業界において注目を集めていきそうだ。
【参考】関連記事としては「搬送自動化に貢献!LexxPluss、佐川急便に自動運転ロボを導入」も参照。