子どもの習い事送迎支援に特化した「MaaS」の実証実験が行われる。実施するのはhab株式会社(本社:神奈川県横浜市/代表取締役:豊田洋平)で、子ども専用送迎シャトル運行システム「håb(ハブ)」の走行実験を2023年3月1〜15日に行うという。
この走行実験は、横浜市が行う「スタートアップ社会実装推進事業」の一環として行われる。
■子ども専用の相乗り送迎サービス
共働きが増える中、保護者にとって習い事の送迎は働き方などに大きく影響する。また、自転車や自家用車による送迎時の事故や教室周辺の渋滞問題なども問題となっている。
håbは家庭のリクエストにあわせて走行する、子ども専用の相乗り送迎サービスだ。さまざまな習い事に通う子どもたちを各教室まで送迎することができる。利用者の送迎需要に応じたフレキシブルなルート生成と車両運行で、子どもの教育機会の最大化に貢献するとしている。
hab社はシャトル運行にかかわる各種アプリや運行システムを開発し、アサヒタクシーが車両を運行する。なおドライバーは、アサヒタクシー所属の一般社団法人全国子育てタクシー協会認定者となっている。
■利用ではLINEアカウントを活用
利用の際は、håb公式LINEアカウントを用いる。習い事情報や時間、希望乗降場所をリクエストすれば、AI(人工知能)システムが利用者の要望に合わせてバス停や走行ルート、ダイヤを作成し、LINEで連絡する。利用者は乗車の前日18時までに希望の便を選択し、乗車予約をする。
また、保護者向けアプリにより、子どもが乗車している車両のリアルタイム位置情報などを把握できる。
そのほかドライバー向けのアプリもあり、ナビ機能や乗降管理機能、車内取残し防止機能を搭載している。車内取り残し防止機能では、運行終了後に最後部座席のQRコードを読み取ることで、ドライバーは作業完了となる。必ず座席の後ろまで行く必要があるため、車内取り残しを防ぐことができるという仕組みだ。
■山口県では「部活動MaaS」も
山口県美弥市では、地域の中学校による合同部活動の実施にあたり、会場までの生徒の送迎を乗合タクシーで運行する「部活動MaaS」の実証実験が2023年1月と2月に行われている。これもAIによる乗り合い配車システムを用いており、専用アプリで予約可能だ。
MaaSは自動車やバス、電車、シェアサイクル、観光情報など移動手段に関わるサービスを1つのサービスとし、それぞれをシームレスにつなぐものだ。観光MaaSや医療MaaS、地方MaaSなどさまざまなサービスがスタートしている。
子どもの習い事や部活動といった、より生活に密着したMaaSが立ち上がることにより、保護者の負担が軽減され、地域が一体となり子どもをサポートしていくという環境が創出されていくことに期待したい。
【参考】関連記事としては「ついに「部活動MaaS」なるものも登場!舞台は山口県美祢市」も参照。