三菱商事はこのほど、自動運転関連ビジネスの市場ポテンシャルと事業性を検証するための合弁会社「A-Drive株式会社」を設立し、営業を開始した。
自動運転関連技術に強みを持つアイサンテクノロジーが60%、三菱商事が40%を出資して設立した合弁企業で、市場ポテンシャルと事業性を検証しつつ、自動運転ワンストップサービスの提供を同社の事業の柱としている。資本金は3億円。
■A-Driveが展開する事業は?
A-Driveは自動運転の実用化が加速することを見越し、 自動運転車両を利用する顧客向けに、以下を展開する計画のようだ。
- 機器・システム・インフラ設備などの調達支援
- 自動運転車を運行するためのコンサルティング等のサービスを提供する「自動運転ワンストップサービス」事業
また、自動運転の様々なニーズに対するサービスの展開も行うとしている。
■「ワンストップサービス」に商機
特に「自動運転ワンストップサービス」というのが興味深い。
アイサンテクノロジーのプレスリリースでは「自動運転の社会実装は、自治体や交通事業社との深い連携が最重要」と指摘。その上で、社会実装に向けては自動運転車を調達するだけではなく、以下などのプロセスを踏む必要があるとしている。
- 安全を第一とした走行ルートや環境等の設定(ODD設定)
- インフラ協調による安全支援
- 継続的なサービス設計や事業設計
- 関係機関調整
新たに自動運転サービスを展開しようという自治体や交通事業者が、こうしたプロセスを全てクリアするのは簡単ではない。そこに商機があると踏んだアイサンテクノロジーと三菱商事は、これらのプロセスをワンストップで供給するビジネスに乗り出すわけだ。
■ビッグプロジェクトが次々と!?
総合商社も目をつけている「自動運転」という先端技術分野は、もはや夢物語ではなく、すでに実証実験や実用化が進んでおり、これからどんどんビッグプロジェクトが始まっていくことは確実だ。A-Driveの事業展開に注目したい。
【参考】関連記事としては「三菱商事、インドネシアで自動運転実証!不動産開発最大手と協業」も参照。