英国、自動運転バス実用化へ実証実験が次々と!

乗客乗せ「ほぼ本番」サービス開始へ



出典:FirstGroup公式サイト

英国では2025年までに自動運転車が公共交通として導入されることを目指している。これは2022年8月に英国政府が自動運転車に関する計画書「Connected and automated mobility 2025」にて言及されている。

それに先駆け、英オックスフォードシャーにあるディドコットで、完全バリアフリーのEV(電気自動車)ミニバスがデモンストレーションを行ったようだ。運行したのは公共交通を運営するFirstGroupで、2023年2月上旬からは実際に乗客を乗せ実証実験を行うという。


また、Stagecoach Groupも英国初のフルサイズの自動運転バスに乗客を乗せて試験走行を行っており、今春からサービスが開始される予定としている。

■430万ポンド(約7億円)の資金投じる

FirstGroupはスコットランドに本拠を置き、英国などでバス事業や鉄道事業を展開している大企業だ。同社はディドコット近郊のミルトンパークで、16人乗りの自動運転ミニバスが周囲を循環するというデモンストレーションを2023年1月23日に行った。

ミルトンパークはビジネスとテクノロジーに特化したエリアで、約350社の1万5,000人以上の人々が働いている。2月後半には実際に乗客を乗せて走行し、2023年後半には同パークと鉄道駅間を運行するフルサイズのバスが登場する予定だという。

この実証実験を通し、乗客やドライバー、他の道路利用者、歩行者が自動運転バスにどのような反応を示すのかといった分析などが行われる。


FirstGroupは、オックスフォードシャー州議会やMaaS開発などを手掛けるZipabout、ミルトンパーク、自動運転システム開発のFusion Processing、西イングランド大学といったパートナーと共に自動運転バスサービスを開発していく。

このプロジェクトには430万ポンド(約7億円)の資金が投じられ、そのうち300万ポンド(約4億8,000万円)は、新しい製品や技術に出資する政府機関Innovate UKからの助成金が充てられるという。

■他のバス事業者も自動運転スタートへ

Stagecoach Groupもスコットランドを拠点とする英国最大のバス会社で、トラム(路面電車)や長距離バスの運行事業も行っている。

同社はこのほど、英国初となるフルサイズの自動運転バスに乗客を乗せて実証実験を行った。22人のボランティアを乗せた自動運転バスが、エジンバラ近郊を走行したという。今春には公共サービスとして運用が開始される予定だ。


2025年の自動運転車の実用化に向け、英国での取り組みは着々と進んでいる。

▼FirstGroup公式サイト
https://www.firstgroupplc.com/
▼Stagecoach Group公式サイト
https://www.stagecoachgroup.com/

【参考】関連記事としては「自動運転、欧州(ヨーロッパ)法律動向」も参照。

記事監修:下山 哲平
(株式会社ストロボ代表取締役社長/自動運転ラボ発行人)

大手デジタルマーケティングエージェンシーのアイレップにて取締役CSO(Chief Solutions Officer)として、SEO・コンテンツマーケティング等の事業開発に従事。JV設立やM&Aによる新規事業開発をリードし、在任時、年商100億から700億規模への急拡大を果たす。2016年、大手企業におけるデジタルトランスフォーメーション支援すべく、株式会社ストロボを設立し、設立5年でグループ6社へと拡大。2018年5月、自動車産業×デジタルトランスフォーメーションの一手として、自動運転領域メディア「自動運転ラボ」を立ち上げ、業界最大級のメディアに成長させる。講演実績も多く、早くもあらゆる自動運転系の技術や企業の最新情報が最も集まる存在に。(登壇情報
【著書】
自動運転&MaaSビジネス参入ガイド
“未来予測”による研究開発テーマ創出の仕方(共著)




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