アラブ首長国連邦(UAE)のドバイでこのほど、ドライバーレストラックの実証実験が初めて開始された。ドバイ企業であるEvocargo(エボカーゴ)がドバイ当局と覚書を交わし行っているもので、2023年2月まで実施されるという。
自動運転トラックは従来型のトラック車両を改造してつくられているケースが多いが、今回の実証実験で使用されている車両はゼロから設計・製造したもので、そもそも運転席なるものが存在していない。見た目もなかなかスタイリッシュで、世界から注目を集めそうだ。
■2019年設立のEvocargoの「EVO.1」
2019年設立のEvocargoは、電気や水素を動力源とした貨物輸送用の自動運転車を開発している。今回の実証実験で使用されるEvocargoの「EVO.1」は、360度カメラや超音波センサーを搭載しているキャビンレス(※運転席ナシ)の自動運転トラックだ。
同車両は、2022年1月に米ラスベガス開催された世界最大の技術見本市「CES 2022」で初披露されている。同社の公式サイトによると、EVO.1は最大積載量1.5トンで、最高時速25キロで走行する。6時間で充電可能で、航続距離は200キロとなっている。
実証実験では、コントロールセンターからオペレーターが遠隔で車両を監視する。コントロールセンターには、センサーの保守性をチェックしたりエラーを特定したりするソフトウェアが導入されている。
また、車両周囲のコンピュータービジョン、自動診断、リモートストップ、スタンバイ空気圧ブレーキという4つのシステムにより、車両の安全性を確保しているという。
■自動運転の導入に積極なドバイ当局
「Unmanned Logistics」などと称される無人物流がドバイでいち早く社会実装されていくことになるのか、注目が集まる。ちなみにドバイ当局は自動運転による人の輸送の実現も積極的に推進している。
2021年4月にはドバイ道路交通局がGM傘下のCruiseと契約を結び、GM Cruiseの自社開発EV(電気自動車)「Origin」を使った自動運転タクシーサービスを2023年から開始する計画が明らかにされている。
▼Evocargo公式サイト
https://evocargo.com/
【参考】関連記事としては「準備着々!自動運転の「Cruiseタクシー」、ドバイで2023年から運行」も参照。
大手デジタルマーケティングエージェンシーのアイレップにて取締役CSO(Chief Solutions Officer)として、SEO・コンテンツマーケティング等の事業開発に従事。JV設立やM&Aによる新規事業開発をリードし、在任時、年商100億から700億規模への急拡大を果たす。2016年、大手企業におけるデジタルトランスフォーメーション支援すべく、株式会社ストロボを設立し、設立5年でグループ6社へと拡大。2018年5月、自動車産業×デジタルトランスフォーメーションの一手として、自動運転領域メディア「自動運転ラボ」を立ち上げ、業界最大級のメディアに成長させる。講演実績も多く、早くもあらゆる自動運転系の技術や企業の最新情報が最も集まる存在に。(登壇情報)
【著書】
・自動運転&MaaSビジネス参入ガイド
・“未来予測”による研究開発テーマ創出の仕方(共著)