経済産業省と一般社団法人「日本機械工業連合会」は2022年10月18日までに、「第10回ロボット大賞」の受賞ロボットを発表した。
総務省・文部科学省・厚生労働省・農林水産省・国土交通省と共催で開催しているアワードで、日本のロボット技術の発展や社会実装を促進することを目的としている。
今回は全112件の応募の中から、経済産業大臣賞はオムロンの自動運転ロボ「モバイルロボットLD/HDシリーズ」が受賞した。果たしてどんなロボットなのか。
■スキャニングで走行用マップを自動生成
モバイルロボットLD/HDシリーズは、搬送・配達・周回といった単純作業を担ってくれる自動搬送ロボットだ。人や障害物を回避しながら走行できる自動運転機能を搭載し、運行管理ソフトウェアにより最大100台までの一括管理を可能としている。
工場レイアウトのCADデータ作成などが不要で、走行しながら周囲環境をスキャンし、走行用マップが自動生成されるという。また、ユーザーは簡単に搬送を指示でき、使いやすい仕様となっている点も特徴だ。
審査特別委員会からは、多数のAMR(自律走行搬送ロボット)プラットフォームとして完成度が高い点が評価された。SLAMや障害物回避といった技術を組み合わせ、実用的なシステムを実現しているという。
【参考】関連記事としては「SLAMとはどんな技術?自動運転に必須?」も参照。
SLAMとはどんな技術?自動運転に必須? https://t.co/OdGecsRdAn @jidountenlab #SLAM #自動運転 #ロボット
— 自動運転ラボ (@jidountenlab) May 4, 2020
■すでに40カ国3,000台の導入実績
すでに40カ国3,000台を超える導入実績があり、生産現場の生産性向上にも大きく貢献していることや、SIer(システムインテグレーター)との連携により、多様な分野への適用が期待できる搬送プラットフォームだということも、同ロボットの評価のポイントとなった。
■自動配送ロボがもつメリット
モバイルロボットLD/HDシリーズの使いやすさは、導入を検討する企業側にとって非常に魅力的だ。導入することで逆に運用の手間が現場で増えるロボットであっては本末転倒だ。使い勝手が良ければ、工場スタッフなどの負担が逆に増える可能性は低い。
そして、人間がしていた作業をロボットが代替するようになれば、人間は付加価値の高い作業に集中することが可能になる。大きなメリットだ。
ちなみに第10回ロボット大賞のほかの受賞ロボットは、以下のリンクから確認することが可能だ。水空合体ドローンや山岳トンネル施工ロボットなど、多様な最先端ロボットが受賞を果たしている。ご参考までに。
▼「第10回ロボット⼤賞」の各賞の表彰対象|経済産業省
https://www.meti.go.jp/press/2022/10/20221012001/20221012001-1.pdf
【参考】関連記事としては「自律走行ロボットの種類は?(2022年最新版)」も参照。