米EV(電気自動車)大手のテスラは、2つの自動車向けソフトウェアを展開している。「オートパイロット」と「フルセルフドライビング(FSD)」だ。FSDはオートパイロットより高機能な有料オプションとして展開されている。
このFSD、日本語に直訳すると「完全自動運転」となるが、現状では自動運転機能は展開できていない状況であり、「誤解につながり危険」といった声が少なからずある。
こうした状況を重く受け止めたカリフォルニア州のレナ・ゴンザレス上院議員が、FSDという名称の使用をできなくする法案を議会に提出し、このほど可決された。
米メディアの報道によれば、法案はカリフォルニア州のギャビン・ニューサム知事の最終署名を待っている状況だという。
■「人々の混乱を招く」と危惧
報道によれば、ゴンザレス上院議員は、テスラがFSD(完全自動運転)という名称を使用することで、人々に混乱を招くことを危惧し、法案の提出に至った。
また、ゴンザレス上院議員はカリフォルニア州道路管理局(DMV)がこの状況に対して適切な対応をとっていないことにも批判を展開している。
ちなみにテスラは公式サイトにおいて、FSDを含む同社の各ソフトウェアに関して「運転手の監視を必要とし、車両を自動運転させるものではない」と説明している。テスラ自体もFSDが自動運転機能でない点は明確にしているわけだ。
The currently enabled Autopilot, Enhanced Autopilot and Full Self-Driving features require active driver supervision and do not make the vehicle autonomous.(出典:https://www.tesla.com/support/autopilot)
法案が成立・施行されたら、テスラのイーロン・マスクCEO(最高経営責任者)は、FSDという名称を変更するのだろうか。マスク氏の対応に注目だ。
【参考】関連記事としては「テスラの自動運転技術(2022年最新版)」も参照。